南カリフォルニア大学で教育学を専門とするモーガン・ポリコフ教授は同紙に対し、「教育現場がどれほど不要だと訴えても、巨大テック企業がいかに強硬にAIの導入を迫っているかを示す典型的な事例だ」と批判した。
世界では1億5000万人以上の児童・生徒や教員が、毎日グーグルの教育向けツールを利用している。その中心となっているのが、Googleドキュメント、Googleスプレッドシート、Googleドライブ、Gmailなどを備えたGoogle Workspace for Educationや、課題の配布・教材の管理を行うGoogle Classroomだ。さらに低価格パソコンのChromebookが教室で使われる端末の約60%を占めるなど、同社は初等・中等教育の現場で圧倒的なシェアを握っている。
グーグルは今年8月、学校向けのClassroomアプリ内でAI機能を初期設定でオンにしたが、一部の学校関係者や保護者からは「生徒がいつ、どのようにAIを使うかは学校側が決められるようにすべきだ」と反発の声が上がっていた。今回の発表は8月の決定を覆すものだが、同時に調べ学習のためにGoogle検索だけを使わせたい教育現場の裁量を著しく制限する内容ともなっている。
全米最大規模の公立学区であるニューヨーク市公立学校とロサンゼルス統一学区には、合わせて約140万人の児童・生徒が在籍している。この両学区は今秋に入り、学区の端末における生成AIの利用を幅広く制限する措置に踏み切った。とくにロサンゼルス学区の当局者は、AIによる要約機能「AI Overviews」を無効にしつつ通常のGoogle検索は引き続き利用できるようにしたいと望んでいたが、グーグルの新方針によってこうした折衷案は選べなくなる。


