製品

2026.11.03 12:15

約30%急落したインテル株に約20%上昇余地、受託製造の大口契約が鍵を握る

Sundry Photography - stock.adobe.com

BRANDVOICE | Paid Program

もっと見る>

量子コンピューティングに長期投資、半導体の新市場開拓も進める

インテルはシリコンフォトニクス、ニューロモーフィックコンピューティング、先端材料への投資も続けている。シリコンフォトニクスは光で情報を伝える技術で、ニューロモーフィックコンピューティングは脳の仕組みを模した計算技術だ。イスラエルの量子ソフトウェア企業Classiqを買収する意向も示した。インテルは買収によって、量子コンピューティングに必要な技術を一貫して提供し、売上高を生み出す企業になれると考えている。いずれも短期的な利益拡大より、長期的な事業機会につながる投資だ。

advertisement

特定用途向け半導体は3年で3倍、新型GPUの商談も進む

特定用途向け半導体は、インテルで最も成長が速い事業分野だ。過去3年間で事業規模が3倍になり、今後数年間でさらに3倍になる見込みだ。インテルが新たに発表した推論処理向けGPU「D-Series」は、広帯域メモリー(HBM)ではなく、大容量のLPDDR5Xメモリーを使う。長い文脈を扱うAI推論のコストを下げるためだ。インテルによると、初期の顧客の反応は良好で、性能も想定どおりに推移し、商談は正式な採用の確約に近づいている。ただ、新しい市場であり、事業規模を拡大するには時間がかかるという。

製造事業の改善が評価されれば、インテル株には約20%の上昇余地

ウォール街は、第4四半期売上高の会社予想が市場予想を15億ドル(約2370億円)下回ったことに強く反応した。だが、製造プロセスの歩留まりは大きく改善している。AIエージェントや推論需要を狙う競争力のあるCPU製品の投入計画に加え、コスト構造の見直しも進む。インテルが事業運営を着実に改善していることを示す材料だ。

予想PEGレシオは、利益成長率を考慮して株価水準を評価する指標だ。現在の成長率予想を変えずに、インテルの予想PEGレシオが0.59倍から0.71倍へ見直されるだけで、株価には約20%の上昇余地が生まれる。0.71倍でも、業界中央値の1.13倍を下回る。ただし、株価回復の実現には、半導体製造の改善を外部顧客からの確実な発注につなげることが重要になる。

advertisement

受託製造の大口顧客が決まらなければ、株価回復の論拠は崩れかねない

当面はPC需要の弱さに加え、イスラエルの工場で起きた死亡事故によって、第4四半期売上高が3億ドル(約474億円)押し下げられる逆風もある。ただ、株価上昇の見立てを根本から崩しかねないのは、受託製造事業を支える大口の外部顧客を獲得できないことだ。顧客候補との協議に手応えがあっても、正式な採用に結び付くとは限らない。

AMDなどの競合企業は、インテルに半導体設計を預けるのか

外部企業から半導体の製造委託を受ける上で、インテル自身の製品設計部門が障害になる可能性がある。インテルの製品設計部門は、製造委託を検討する企業と直接競合しているからだ。AMDのような競合企業は、Intel 18A-Pの歩留まりがどれほど改善しても、独自の半導体設計を競争相手に渡すことをためらうかもしれない。半導体の受託製造を担うTSMCに委託する際には生じない懸念だ。ただ、タンは決算説明会で「今後2四半期の間に、発表できる顧客が2社ほど出てくる」と述べた。顧客発表によって、受託製造事業の先行きがより明確になるだろう。

(forbes.com 原文)

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事