アルファベットはまた、2026年通期の設備投資の見通しを、従来の1800億〜1900億ドル(約28兆2600億〜29兆8300億円)から1950億〜2050億ドル(約30兆6200億〜32兆1900億円)に引き上げた。この支出は、株主にとってはっきりとした懸念材料である。経営陣も、営業キャッシュフローから設備投資を差し引いた手元資金「フリーキャッシュフロー」は、引き続き圧迫されるとみている。
Google Cloudを見ると、この支出が膨らむ理由の一端がわかる。経営陣は、見通しを引き上げた主な理由として、高まる需要に追いつくため、データセンターの計算資源の提供を早めていることを挙げた。その需要は、クラウドの顧客からだけでなく、アルファベット社内の事業全体からも来ているという。アルファベットは、Google Cloudの受注残の50%強を、今後24カ月で売上高として計上する見込みである。
とはいえ、支出の理由がわかったからといって、懸念が消えるわけではない。経営陣は、2027年も設備投資が再び大幅に増えるとみている。さらに、減価償却費の増加や、電力などのデータセンターの費用が、引き続き利益の重荷になるとも述べた。
Google Cloudの成長を阻むもの
Google Cloudの足かせになりかねないのは、コンピューティング能力(計算資源)の不足だ。米国時間2026年7月22日の決算説明会で、経営陣は、アルファベットがこれまでに整えた計算資源を、需要がなお上回っていると述べた。業界のほかの企業と同じく、アルファベットも、供給が需要に追いつかない状態で事業を営んでいるという。この差を埋めるため、アルファベットは、自前の設備を増やしながら、第3四半期(7〜9月期)には他社の計算資源の利用を広げる計画を示していた。経営陣は、そうして借りる計算資源を稼働させるにつれ、目先は利益率がいくらか圧迫されるとみていた。
時期の問題もある。アルファベットは、独自開発したAI特化型プロセッサ「TPU(Tensor Processing Unit)」を使ったシステムを、顧客に販売する契約を結んでいる。経営陣は、こうした契約による売上高の大部分が計上されるのは、2027年になるとみている。株主にとってのリスクは、アルファベットが費用を積み増すペースに、Google Cloudの受注残を売上高に変えるペースや、そこから得る利益が追いつかないことである。
アルファベットの第3四半期決算は、2026年10月中に発表される見込みである。そこで注目すべき数字は、Google Cloudの売上高の伸びと、受注残だ。


