ファッション企業は長年、循環性(サーキュラリティ)について語ってきた。だが、なぜもっと早く実現しなかったのか。最大の障壁の一つは産業面にあった。綿とポリエステルの混紡シャツを、メーカーが実際に支払う水準のコストで新たな原材料に変えるために必要な工場、サプライチェーン、商業的コミットメントを構築することだ。
Circと素材大手華峰集団(Huafon)の新たな提携は、ファッションの循環性をめぐる野心が、パイロットプロジェクトから産業インフラへと移行できるかどうかを試すものになる可能性がある。
この発表は、規制がファッション業界の廃棄をめぐる計算を変え始めるなかで行われた。欧州連合(EU)の売れ残った衣料品の廃棄を制限する新規則は今年、大企業を対象に発効し、改正廃棄物枠組み指令は加盟国に対し、繊維製品に関する拡大生産者責任制度の整備を求めている。こうした政策は、機能するリサイクル産業を自動的に生み出すわけではない。だがブランドに対して、売ることも、再利用することも、修理することもできない製品をどうするのかという財務上の問いを、より鋭く突きつけている。
なぜ中国が重要なのか
米国で創業し、その後フランスに施設を立ち上げた繊維リサイクル企業のCircは、その問題の解決が始まり得る場所は中国だと見ている。
同社は、中国最大級の先端素材グループである華峰集団との提携を発表した。中国で複数段階にわたる繊維から繊維へのリサイクル拠点を開発する計画だ。第1段階では、1日あたり約200トンの繊維廃棄物を処理する設計となっている。Circのプロセスは、古い綿・ポリエステル混紡衣料を取り込み、2つの素材を分離し、新たなポリエステルや、リヨセルなどのセルロース系繊維の原料に変えることを目指している。
これが重要なのは、中国が世界有数の繊維・衣料品製造拠点だからだ。繊維から繊維へのリサイクルが小規模な実証プラントにとどまるなら、そもそも世界の衣料品の大半を生産しているサプライチェーンを再構築することは難しい。
「中国は世界の繊維生産の中心にあり、繊維から繊維へのリサイクルを拡大するうえで極めて重要な場所だ」と、Circの最高経営責任者(CEO)ピーター・マジェラノフスキー氏は語る。
Circの技術が狙うのは、ファッション業界で最も根深い廃棄問題の一つである混紡生地だ。ポリエステルと綿は、耐久性、手頃な価格、多用途性を兼ね備えるため、広く組み合わせて使われている。だが、この混紡はリサイクルが難しい。既存システムの多くは、単一素材か、ポリエステル比率の高い原料に最も適している。綿・ポリエステル混紡の衣料品は、低付加価値品にリサイクルされるか、焼却、埋め立て、あるいは不透明な世界の中古市場へ輸出される傾向がある。
華峰集団は、このギャップこそがCircに関心を持った中心的な理由だったとしている。「Circは、私たちが見てきた中で最も有望な繊維から繊維へのリサイクル技術の一つを開発しており、華峰集団はそれを市場に投入する支援をする用意がある」と、華峰集団副社長で上海華峰超繊科技の会長を務める尤飛鋒(Feifeng You)氏は述べる。「Circのイノベーションと、当社の産業面の強みおよび投資を組み合わせることで、繊維廃棄物を、業界が必要とする規模で高品質な素材に変えることができる」
単なるリサイクル契約ではない
この提携が重要なのは、華峰集団が単に用地を提供するからではない。むしろ同社はプロジェクトに直接投資し、スタートアップが通常欠いているものを持ち込む。既存の化学品生産施設、エンジニアリングと調達の仕組み、物流ネットワーク、運営チーム、そして中国の繊維産業全体に広がる関係性だ。華峰集団は、旧デュポンのバイオマテリアル事業であるCovation Biomaterialsも所有しており、カーペットや衣料品に使われる、トウモロコシ由来成分を一部含む高機能繊維Soronaなど、バイオ由来素材の商業化経験をグループにもたらした。
マジェラノフスキー氏は、その経験によって華峰集団は従来型の製造パートナー以上の存在になったと語る。「循環性はチームスポーツだ。いま私たちは、スケール化を含む段階にいる」
この違いは、多くのファッションリサイクル企業がパイロット段階を超えるのに苦戦してきた理由を示している。企業は実験室でプロセスを証明し、ブランドとカプセルコレクションを作ることはできる。それでも、一貫して稼働し、廃棄物原料を確保し、メーカーの厳密な仕様を満たし、採算の取れる価格で生産物を販売できる工場を建設するという、はるかに難しい仕事に直面する。
「いま、6年、7年を経て、本格展開の準備が整っている」とマジェラノフスキー氏は、繊維リサイクル技術のより広い分野について語る。「難しいのは、この業界が非常に分散していることだ。最大級のブランドでさえ、毎年生産される繊維製品の1%未満しか担っていない。だから、誰も本当には最初の一歩を踏み出したがらない」
その結果は、こう着状態だ。投資家は新施設に資金を投じる前に、ブランドがリサイクル素材を購入するという証拠を求める。ブランドはコミットする前に、安定供給と低価格を求める。そしてリサイクル事業者は、そうしたコミットメントが生み出す量がなければコストを下げられない。
Circの答えは、自社がサービスを提供しようとする市場にすでに深く組み込まれている産業企業と組むことだ。あらゆる能力をゼロから構築するのではなく、既存の化学・素材の基盤の中に自社技術を置くことができる。
尤飛鋒氏は、Circがすでに実験室規模を超え、素材を市場に出し、運用およびエンジニアリングのデータを蓄積していると指摘した。同社は、中国でポリエステルからポリエステルへのリサイクルが広がる一方で、ポリコットン混紡に焦点を当てた同等の技術はほとんど見てこなかったという。
価格同等性への圧力
だからといって、経済性が決着したわけではない。マジェラノフスキー氏は、Circがバージン素材との価格同等性に近づくには、なお規模が必要だと述べる。「この産業は産業革命を始めた。非常に巨大で、最適化されている」と彼は説明する。「当社のプロセスに必要なのは、とにかく規模だ。だから、最初の工場から5年以内には価格同等性に到達すると予測している」
現在、低コストのバージンポリエステルは依然として化石燃料市場と結びついており、ファッションの調達チームは価格に極めて敏感だ。尤飛鋒氏でさえ、初期の商業化段階では顧客がプレミアムを受け入れる可能性があると認める一方、長期的な普及には、リサイクル素材が性能と経済性の両面でバージン代替品と競争できることが必要だと述べている。工場の稼働率、エネルギー、設備投資費、原料品質、運営効率のすべてが、それが実現するかどうかを左右する。
それでも、中国という立地は、この実験のスピードを変える可能性がある。Circが回収する化学的な生成物は、既存の製造にとってなじみのある投入原料だ。ポリエステルモノマーは既存の重合ラインに入れることができ、セルロースパルプはビスコースやリヨセルの生産に供給できる。課題は、まったく新しい産業エコシステムを作ることよりも、すでに存在する仕組みに新たなプロセスを統合することに近い。
Canopyの創業者兼エグゼクティブディレクターであるニコール・ライクロフト氏は、Circと華峰集団の提携は、ブランドや人造セルロース繊維メーカーが、森林、化石由来の投入物、不安定なサプライチェーンへの圧力を軽減できる素材を求めるなかで実現したと述べる。「グローバルサプライヤーと先進的なイノベーターのパートナーシップは、まさにファッションブランドがサプライチェーンに向かってほしい方向だ」と彼女は語る。
Canopyの最近のモデル分析では、ビスコースにおける次世代投入原料の使用率がわずか5%に達するだけで、今後10年にわたりブランドにコスト削減をもたらし、2036年までに同分野をはるかに大きな普及へ向かわせる道筋をつける可能性があることが示された。そうした予測が実現するかどうかは、Circのようなプロジェクトが、有望なサンプルにとどまらず、実際の素材を供給できるかにかかっている。
欠けているインフラ
ただし、Circの新たな中国施設だけで、ファッションの廃棄問題が解決するわけではない。同社には、廃棄繊維の安定した流れがなお必要であり、アパレル業界は、消費後の衣料を回収し、選別し、リサイクルへ流す体制が十分に整っていない。マジェラノフスキー氏は、ほとんどのブランドが自社の廃棄物を大規模に集約する体制をまだ備えていないと指摘する。紡績・織布工場、流通業者、廃棄物処理業者、小売業者、消費者が、チェーンの異なる部分をそれぞれ支配している。
だからこそ、この協業は一般的な素材関連の発表以上に重要な意味を持つ可能性がある。中心的な問いはもはや、企業がポリエステルを綿から分離できるかどうかではない。Circはすでに、それが可能であることを実証している。問題は、リサイクル事業者、化学メーカー、ブランド、サプライヤーが、生産物をめぐる実際の市場を構築するために十分な速さで連携できるかどうかだ。
「私たちはもはやテクノロジー企業ではない」とマジェラノフスキー氏は言う。「私たちは調整の会社だ」
循環型コレクションの発表に長年を費やしながら、循環型インフラをほとんど構築してこなかったファッション業界にとって、中国は、その違いがついに試される場所になるかもしれない。



