燃料費が利益を圧迫、デルタ航空は通期で約9600億円の負担増
グラデックはフォーブスに対し、「燃料の問題さえなければ、航空各社は素晴らしい業績を報告できていたはずだ」と述べ、「燃料費が収益改善の足を引っ張っている」と指摘した。燃料高騰の打撃が最も鮮明に表れたのがデルタ航空の第3四半期決算だ。同四半期のRASMが21%増となったのに対し、燃料費が69%急増したことでCASMは全体で25%上昇した。同社のエド・バスティアンCEOは、通期で60億ドル(約9600億円)に上る燃料費の増加を吸収せざるを得ないとの見通しを示している。
ユナイテッド航空は燃料費増の約7割を増収でカバー、2027年も高止まりを警戒
ユナイテッド航空は第3四半期の燃料費が前年同期比で18億ドル(約2880億円)増加し、増収によってその約72%をカバーしたものの負担の増加分を相殺しきれなかった。同社のカービーCEOは、燃料価格の高止まりが2027年まで続く可能性があり、税引前利益率を2桁に乗せるという目標の達成が難しくなる恐れがあると警告した。
アメリカン航空は売上高で過去最高、純損失は約430億円
アメリカン航空の第3四半期売上高は約19%増の163億4000万ドル(約2兆6100億円)と過去最高を記録したものの、純損益は2億6900万ドル(約430億円)の赤字となり、第4四半期も調整後ベースで赤字が続くと予想した。同社のロバート・アイソムCEOは22日、投資家に対し「この燃料価格の急騰さえなければ確実に黒字を確保できていた四半期だったが、結果として赤字を計上することになった」と語った。第3四半期の燃料費は前年同期比で約70%増となり、合計で19億ドル(約3040億円)のコスト増要因になったという。
サウスウエスト航空は利益率が拡大したが、通期予想を引き下げ
これらとは対照的に好決算を発表したのがサウスウエスト航空だ。第3四半期はRASMが22%増とCASMの伸び(17%増)を上回り、燃料費が8億2100万ドル(約1310億円)増加したにもかかわらず、営業利益率は前年同期から改善した。ただし、同社は燃料費の増加を理由に通期の調整後EPS(1株あたりの純利益)の見通しを従来の3.25〜4.25ドルから2.60〜2.85ドルへと引き下げている。
航空運賃は2027年も上昇へ、燃料価格に悲観的な見方広がる
今週初めには、欧州の格安航空会社ライアンエアーのマイケル・オレアリーCEOが、ジェット燃料費の高騰を受けて来年は航空運賃が20%上昇すると予測した。
一方の米航空各社は、2026年にすでに大幅な値上げを実施したことを踏まえ、さらなる運賃引き上げの可能性は低いとの見方を示し続けてきた。ユナイテッド航空のカービーCEOも8月、ロイターに対し、2027年初頭の運賃値上げは緩やかなものにとどまり、今年の上げ幅より小さくなるだろうと語っている。
しかし、航空業界の専門家は目先のジェット燃料価格の動向について悲観的な見方を強めている。グラデックはフォーブスに対し、ジェット燃料価格が12月末までに1バレルあたり225ドルに達すると予想しており、エアアジア・グループの共同創業者で顧問を務めるトニー・フェルナンデスも記者団に対し、世界のジェット燃料価格が1バレルあたり250ドルに達する可能性も想定し得ると語った。
上位4社以外は黒字を出せるか、ジェットブルー航空などが決算へ
大手4社以外の米航空会社が黒字を確保できるかどうかにも注目が集まる。ユナイテッド航空のマイク・レスキネンCFOは21日、投資家に対して現在の状況を「業界の大半が赤字に陥る環境」と表現した。ジェットブルー航空、フロンティア航空、アレジアント・エアの各社は、今後2週間以内に四半期決算を発表する予定だ。


