民主党が議会を握れば何が起きるか、米中ビジネス評議会会長が挙げる4つの傾向
こうした背景を踏まえると、民主党が議会を掌握した場合、米国の対中政策全般や米国企業にはどのような影響が生じうるだろうか。
米中ビジネス評議会(USCBC)のショーン・スタイン会長は、4つの傾向が現れるだろうとみている。米首都ワシントンに本部を置く1973年設立のUSCBCには、物流大手フェデックス、医療機器大手メドトロニック、半導体大手クアルコム、国際法律事務所ステップトーLLP、認証大手ULソリューションズ、決済大手ビザなど、中国で事業を展開する270社余りの米国企業が加盟している。
(1)中国からの貿易と投資をめぐり、「全面規制か無規制か」という二者択一は和らぐ
まず、中国からの貿易・投資に対する規制を「全か無か」の二者択一で捉える単純化された二元論的思考が緩和されるだろう。
「私たちは長い間、この二項対立の世界にいた。規制に縛られない中国の自由な貿易や投資がもたらす潜在的な脅威を指摘し、高い技術力を要しない消費財や一次産品以外のほとんどすべてを締め出す絶対的な貿易障壁こそが唯一の解決策だと主張すればよかった」とスタインはあるインタビューで語っている。
「思慮深い政策立案者や議員の中には、これが実際には二者択一の問題ではないことを認識している人もいる。賢明で責任ある安全策を策定し、適切な形態の投資を適切な条件で促進する仕組みを構築する必要性を理解している人たちだ」とスタインは続けた。「米国の長期的な競争力と手頃な価格を維持するには、米国企業が中国で起こっているイノベーションの一部を利用できることが不可欠だ。その際、わが国に脅威を与えない形で利用でき、米国だけでなく世界中で活用できるかどうかが肝心となる」。
(2)レアアースや重要鉱物で中国依存を減らすには、立法府による長期的な関与が欠かせない
2つめは、一部のレアアース(希土類)と重要鉱物における中国への依存度を下げるための議会の取り組みになるとみられる。
スタインは、次のような見方を示した。「レアアースと重要鉱物のサプライチェーン開発は、政権をまたぐ取り組みになると議員たちは認識している。必要となる期間と長期的な計画、資金調達のことを考えると、議会の関与は欠かせない。単発の取引、対象を絞った資金調達、国際協定も役には立つが、議会の行動に代わるものではないとの認識がある。次期議会ではこれが優先議題になると考えている。何らかの重要な動きが見られるはずだ」。
「中国投資をめぐる議論は徐々に変化していくだろう」。


