CM枠1本あたりの広告料は最大約4800万円
ゴールデンタイムに放送されていたシーズン2とシーズン3はFoxの稼ぎ柱の1つとなり、30秒のCM枠1本あたりの広告料は最大30万ドル(約4800万円)に達した。その後、Foxは同作を大規模なライブツアー事業へと拡大し、2011年には映画『glee/グリー ザ・コンサート 3Dムービー』を公開した。また、ケーブルテレビ局のOxygenではリアリティ番組『グリー・プロジェクト 〜主役は君だ!』が2シーズンにわたって放送され、優勝者には本編へのゲスト出演権が与えられた。さらに、コンサートツアーやアルバム・楽曲の販売、音楽出版の印税、デジタル・動画ストリーミングからの推定純収益に基づいて米国内で最も稼いだミュージシャンを順位付けしたビルボードの2012年版「Top 40 Money Makers」では、『glee/グリー』のキャストが2011年に1260万ドル(約20億2000万円)の収益を上げて11位にランクインしている(同年の首位はテイラー・スウィフトだった)。
『glee/グリー』のキャストは、Hot 100における最多チャートイン曲数でもエルビス・プレスリーの記録を塗り替えた。2011年2月に6曲が新たにチャートインしたことで通算113曲となり、プレスリーの108曲を上回った。現在の最多記録保持者はドレイクだが、テイラー・スウィフト、フューチャーに次ぎ、『glee/グリー』のキャストは歴代4位につけている。
なお、『glee/グリー』によるカバー曲がHot 100でオリジナル版の最高順位を上回ったのは1曲のみだ。ジャーニーの『ドント・ストップ・ビリーヴィン』は1981年に最高9位を記録したが、2009年にリリースされた『glee/グリー』版のカバーは最高4位に達した。
こうした大人気の一方で、同作はキャストに訪れた突然の悲劇や法的なスキャンダル、撮影現場でのトラブルに関する告発によってもその名を知られるようになった。男性主人公のフィン・ハドソン役を演じたコリー・モンティスは、シーズン5の放送期間中だった2013年に薬物の過剰摂取により急死した。ノア・パッカーマン役のマーク・サリングは、児童ポルノ関連の罪で連邦裁判所の量刑言い渡しを待っていた2018年に自殺している。また、サンタナ・ロペス役のナヤ・リヴェラは2020年7月、カリフォルニア州のピルー湖で幼い息子とボートに乗っていた際に溺死した。2023年にはケーブルテレビ局のInvestigation Discoveryが全3回のドキュメンタリー番組『The Price of glee/グリー』を公開し、同作が爆発的な人気を獲得していく過程とともに、キャストたちの現実の人生に降りかかった暗い出来事を正面から取り上げた。


