
ハードウェアが十分に仕上がっていなければ、利用者はそれが本当に自分に必要なものかを判断できない。開発者も興味を持たず、新しい使い方やアプリケーションは生まれてこない。だからこそアップルは、Duoを中途半端な作りにせず、Proとは別の価値を探すための”こだわりの塊”に仕上げたのだろう。
Duoは画面を開いた時、画面を閉じた時、この2つだけではなく、その途中の状態(つまりヒンジを境目にメインディスプレイが左右に分かれている状態)を保持できるように設計されている。OSとアプリケーションには、ヒンジの角度や置き方、持ち方ごとに、最適な形で利用者と向き合えるよう仕掛けが用意されている。
少し曲げたまま本のように持つと、平らに開くよりも手が掛かり、保持しやすい。机に置けば、手で支える必要もなくなる。その状態をソフトウェアが把握できるようにすることで、折り曲げた部分を避けたり、表示の役割を変えたりとアプリ側が対応できるよう作られている。
とはいえ、標準機能の時計や予定表だけで、この価格を説明するのは難しい。置き時計を買おうとしてDuoに行き着く人は、さすがに多くないだろう。あれは、置き方が変われば表示も変えられることを、分かりやすく伝える実演と受け取るべきだ。
その先に何を表示し、どの作業を任せるかは、利用者とアプリ次第になる。よくできたハードウェアを先に用意する意味は、ここにある。作れることを示す段階を越えて、使い続ける理由を探せるところまで持ってきた。初代の出発点としては、なかなか悪くない。
iPad mini + iPhoneにあらず
ところで、DuoをiPhoneとiPadの融合と見る人もいるようだ。だが、ソフトウェアの基盤はまったく異なる思想で作られている。
国内直販価格では、iPhone 18 Pro MaxとiPad miniを最小構成で一台ずつ買うと、計33万9600円になる。Duoより2万5200円安い。miniは128GBのWi-Fiモデルなので容量や通信機能の条件はそろわないが、買う側にとっては現実的な比較だろう。


