トランプ・メディア・アンド・テクノロジー・グループ(TMTG)の株価は、米国時間2026年10月20日の取引中に6.29ドルまで下落し、上場来安値を更新した。過去1年間で株価は半分以下に下落している。トランプ・メディアは核融合企業TAEテクノロジーズとの60億ドル超(約9480億円超)の合併を進めている。
トランプ・メディア株、過去1年間で51.8%下落
SNS「トゥルース・ソーシャル」の親会社であるトランプ・メディアの株価は、20日朝に6.29ドルを付けた。上場以来の取引時間中の最安値で、過去1年間の下落率は51.8%に達している。
トランプ・メディアの時価総額は18億ドル(約2844億円)。19日には取引時間中に6.40ドルまで下落し、終値も6.43ドルと上場来安値を更新していた。
20日午後の取引終了直前には、株価が6.50ドル弱まで持ち直し、前日比で約1%上昇していた。終値で2営業日連続の上場来安値を付ける事態は避ける見通しとなっていた。
トランプ・メディアの赤字拡大と事業の多角化
トランプ・メディアの2026年第2四半期の純損失は2億3810万ドル(約376億円)で、前年同期の約2000万ドル(約32億円)から拡大した。売上高は170万ドル(約2億6900万円)で、前年同期の90万ドル(約1億4200万円)を上回った。
米紙ワシントン・ポストは、デジタル情報企業Similarweb(シミラーウェブ)のデータを引用し、2026年9月のトゥルース・ソーシャルの日間平均利用者数は約26万人だったと報じた。前年同月と比べて30%超減少したことになる。
核融合企業と約9480億円超の合併を計画
トランプ・メディアは2025年12月、核融合企業TAEテクノロジーズとの合併を発表した。取引の評価額は60億ドル超(約9480億円超)で、現金を使わず、株式だけを対価とする。両社は遅くとも2026年第4四半期中の完了を目指している。
2024年の上場と動画配信・金融サービスの展開
トランプ・メディアは2024年3月、特別買収目的会社(SPAC)のデジタル・ワールド・アクイジションとの合併を通じて上場した。ドナルド・トランプ大統領の支持者を投資家として引き付けてきたが、株価は大きく変動してきた。
フロリダ州サラソタに本社を置くトランプ・メディアは、動画配信サービスTruth+(トゥルース・プラス)も運営している。金融サービスと金融技術(フィンテック)のブランドTruth.Fi(トゥルース・ファイ)も展開する。TAEテクノロジーズとの合併によって核融合エネルギー分野に参入することになるが、核融合技術の大部分はなお実験段階にあり、商用化できるかどうかは不透明だ。
トランプは株式の約41%を保有、核融合事業の成否と利害が結び付く
核融合発電は、人工知能(AI)向けのインフラ整備を支える電源として重要だと考える人も多い。トランプ大統領は合併を通じて、AI関連投資の拡大から利益を得る立場になる可能性がある。
トランプはトランプ・メディア株を1億1480万株保有し、発行済み株式の約41%を占める。核融合企業との合併が実現すれば、核融合発電の商業的な成功とトランプの保有株式の価値が強く結び付くことになる。
フォーブスはトランプの純資産を66億ドル(約1兆428億円)と推定している。20日の推定純資産は100万ドル(約1億5800万円)減少し、リアルタイム世界長者番付で611位となった。



