新興AIクラウド企業に表れた社債安、電力不足、顧客集中
財務面のひずみは、1社か2社の大口顧客への依存度が高い新興AIクラウド事業者(ネオクラウド)で表面化している。
CoreWeaveは債務の借り換え、Nscaleは送電網への接続が課題
CoreWeaveが発行した2031年償還と2032年償還の無担保社債は、2026年10月中旬に額面1ドル当たり81セント未満で取引された。債務不履行リスクを取引する金融商品、クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)の保証料率を示すスプレッドも過去最高に達した。社債市場は、CoreWeaveが2026年10月から約2年間に満期を迎える債務の借り換えに苦戦する可能性を相応に織り込んでいる。
Nscaleは、十分な電力を確保できない問題と、大口顧客への依存という2つの弱点を抱える。マイクロソフトは英国エセックス州ラウトンに計画されたNscaleの拠点について、利用契約を解除した。送電網の運営会社が、必要な電力を2030年代まで供給できないと説明していたと報じられている。米テクノロジー媒体シリコンアングルによれば、Nscaleの契約額の約85%をマイクロソフトとAIモデル開発企業アンソロピックが占める。送電網への接続待ちで拠点の契約を失ったことが、NscaleのIPO計画にも重くのしかかっている。
アンソロピックの巨額損失、開発会社と設備供給会社を結ぶ契約網
アンソロピックでも、資金調達と巨額の設備契約が密接に結び付いている。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は、アンソロピックの目論見書草案に、2026年上半期の純損失が800億ドル(約12兆6400億円)超と記されていると報じた。損失の大部分は、アンソロピックが資金調達契約を会計上どのように処理しているかを反映している。
アンソロピックはNscaleとの間で、新たに450億ドル(約7兆1100億円)規模の計算処理能力を調達する契約も協議中と報じられた。AIモデルを開発する企業、GPUを貸し出すクラウド事業者、半導体メーカーは、それぞれが別の相手から資金を調達するための契約によって結び付いている。


