演技部門でのノミネートも?
(以下の段落には『You Can See Everything』の重大なネタバレが含まれます)
作品賞へのノミネート以上に驚きとなりそうなのが、同作の演技部門でのノミネートだ。映画の後半で、数年前にHuluのドラマシリーズ『ドロップアウト ~シリコンバレーを騙した女~』でホームズを演じてエミー賞を受賞したアマンダ・サイフリッドがサプライズ出演していることが明らかとなったためだ。なお、これまでに演技部門でノミネートを果たしたドキュメンタリー映画はひとつもない。
Varietyが確認したところによると、本人役(アマンダ・サイフリッド自身)として登場しつつ再現シーンでホームズも演じているサイフリッドは、アカデミー賞の選考対象としての資格を満たしているという。ただし、ゴールデングローブ賞の現行ルールでは対象外となる。Varietyによれば、A24はサイフリッドの助演女優賞ノミネートに向けたキャンペーンを進めている。
また、再現シーンでホームズのパートナーであるビリー・エバンスを演じたクリストファー・アボットも演技部門の対象だ。加えて、監督のフィールダー自身も俳優としてエントリーできる可能性があるものの、彼はそれを見送る方針だという。
業界メディアは候補入りを予想
Varietyはすでに『You Can See Everything』が作品賞にノミネートされると予想しているが、現時点における受賞の本命としては『オデュッセイア』を挙げた。また同誌は、本作が編集賞にもノミネートされるとも予想している。一方、The Hollywood Reporterはより大胆な予想を示し、本作が作品賞、監督賞、助演女優賞、編集賞の4部門でノミネートされると予想した。
批評サイトで98%の高評価、公開3日間で約24億を稼ぐ
批評家からの高い評価と好調な興行成績も『You Can See Everything』のキャンペーンを後押ししそうだ。同作は映画批評サイトのRotten Tomatoesで98%というほぼ満点に近いスコアを獲得している。さらにSNSサイトのLetterboxdも今週初め、ユーザーレビューに基づく同作の平均評価が5点満点中4.7点に達し、同サイトで歴代最高評価の作品になったと発表した。また、『You Can See Everything』は北米855館での限定公開ながら、すでに2000回以上の上映が完売し、公開週末の興行収入は1500万ドル(約24億円)に達した。これはドキュメンタリー映画のオープニング成績としては過去20年間で最高となる。
世界一の富豪やサム・アルトマンを描く作品も、賞レースで競合か
『You Can See Everything』は、アカデミー賞の舞台でハイテク業界の富豪を題材にした他の複数の映画と競い合うことになる可能性がある。世界首位の富豪を追った4時間の映画『Musk』も批評家から高い評価を集めており、長編ドキュメンタリー映画賞へのノミネートを目指している。また、OpenAIのサム・アルトマンCEOが2023年に一時解任された騒動を描いた近日公開予定の映画『Artificial』も高い評価を得ており、一部の賞レース専門家からは有力候補の1つと目されている。


