中間管理職についての質問は、別の種類の躊躇を浮き彫りにする。ロバート・ウォルターズが2024年に米国で実施した意識調査では、Z世代の回答者の57%が「中間管理職になりたくない」と答え、60%が他人を管理するよりも「インディビジュアル・コントリビューター(IC:個人の専門職)としてキャリアを積むことを好む」と答えた。躊躇する理由を説明した回答者のうち、67%が「ストレスが大きいわりに報酬が少ない」を挙げた。英国での別の世論調査では、ICを好む割合は72%に達した。これらの数値はそれぞれ異なるグループを示しており、世界中のZ世代に一律に当てはまる1つの傾向というわけではない。
また、こうした言説に対する重要な反証もある。グラスドアによる米国の労働力データの分析によると、27歳時点で管理職になっている割合は、Z世代が14%、ミレニアル世代が13%、X世代が14%だった。少なくともこれまでに利用可能なデータを見る限り、若手社員は過去の世代とほぼ同じ段階で管理職に就いている。
だからといって各種の調査が無意味というわけではない。雇う側は、「人々が望むと口にすること」「渋々受け入れること」「実際のキャリア構造によって可能なこと」を混同しないよう注意すべきだということだ。データが示しているのは、1つの世代がリーダーシップを拒否している姿ではない。社員たちが歩み続けつつも、その魅力に疑問が投げかけられている管理職というキャリアパスの姿なのだ。
「最初の管理職」への打診を断る若手が増えている理由
従来の取引は単純明快だった。優秀な社員は、より高い給料、影響力、機会と引き換えに、より大きな責任を受け入れる。管理職への昇進は、組織がその人の将来に投資していることの証明だった。
しかし今日、そのオファーはまったく違って見えるかもしれない。新しく昇進したマネージャーは、個人の業績目標を抱えたまま、コーチング、採用、対立の解消、従業員エンゲージメント、パフォーマンス問題、そしてチーム全体の成果に責任を負わされる。他の場所で下された決定を引き継ぎ、人員配置や優先順位を変更する権限をほとんど持たないこともある。成果を出すための権限やリソースを必ずしも与えられないまま、成果に対する責任だけを問われるのだ。


