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AI

2026.10.23 13:45

営業利益率44%で高級ブランド超え アドバンテストがNVIDIAを惹きつける理由

ダグラス・ラフィーバ|アドバンテスト Group CEO

AIの進化は人間の予想をはるかに超えた。その学習や推論を支える半導体に、世界の視線が注がれている。他方、半導体の製造においては複数の大きな課題が立ちはだかっている。デバイスの複雑化やライフサイクルの短期化、チップコストの高騰などだ。顧客はテスト時間や工程の増加を余儀なくされている。

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半導体が複雑で高価になるほど、不良品を出荷前に確実にはじく「検査」の重要性は高まる。そこで存在感を増すのがアドバンテストだ。同社のSoC・メモリ向けテストシステムにおけるリーダーシップが半導体の高性能化や複雑化への対応を可能にするとともに、同社の成長を支える主要な原動力になっている。

その勢いと強さは決算の数字に如実に表れている。2026年3月期の連結決算の売上高は1兆1286億円(前年比44.7%増)、営業利益は4991億円(同118.8%増)、営業利益率は44.2%、当期利益は3754億円(同132.9%増)と、異次元の数字をたたき出した。

アドバンテストの利益率について、SBI証券経済企業調査部で精密機械・半導体製造装置やAI領域を担当する和田木哲哉シニアアナリストは「ルイ・ヴィトンやエルメス、マイクロソフトなどの企業と並ぶほどの高水準で、もはやメーカーとは思えないくらいだ」と舌を巻く。

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「アドバンテストの製品の競争優位性もさることながら、市場の伸びがあまりに急峻で、(アドバンテストの製品やサービスを)買う側が金に糸目をつけていない状況などが数字に表れている」(和田木)

NVIDIAを惹きつけた「先見の明」

AIや半導体が飛躍的な進歩を遂げるなか、業界のキープレイヤーであるアドバンテストもまた、AIを半導体テストに活用することで顧客への提供価値を高め、自らの「稼ぐ力」の向上につなげている。

25年10月、アドバンテストの米国地域統括会社であるアドバンテスト・アメリカは、NVIDIAのAI推論・機械学習技術と自社のデータプラットフォーム「ACS RTDITM(Advantest Cloud Solutions Real-Time Data Infrastructure)」を融合させ、半導体テスト工程を最適化することを明らかにした。テスト工程で得られるデータをリアルタイムに解析し、効率性の向上やコスト削減、歩留まりの改善につなげる。同発表によれば、NVIDIAはAIの学習・推論に欠かせない最新GPU「Blackwell」や次世代デバイスの量産工程向けにACS RTDITMを採用している。

AI関連の最新技術に素早く反応できるのは、いつ、どこで、どんな技術が生まれ、自社に何が求められるのかを先読みしているからにほかならない。SBI証券の和田木は、先見の明こそアドバンテストの競争優位性の源泉だという。

「競合がAI以外の用途や事業にフォーカスしていたときに、アドバンテストはGPUやAIチップの将来性を正しく予見して、NVIDIAをはじめAI半導体を手がけるすべての企業と密な関係を構築していた。他社が気づいたときにはすでに技術を蓄積し、圧倒的な競争優位を築き上げていた。顧客にとっても、複数社からテスタを調達するとプログラミング言語などが異なりリソースが分散するため、テスタは一社に集中させたほうがいい。こうした背景がアドバンテストの好業績につながっている」(和田木)

半導体の製造工程を支え、AIの最新技術をいち早く自社製品に取り込む。好循環を手に入れた今、アドバンテストが注力するのがテストの自動化を支える「AI主導型テスト環境」の構築だ。半導体テストにAIエージェントを活用することでテープアウト(半導体の設計が完了し製造工程へと移行する段階)から量産テストプログラムの構築に至るまで、顧客が半導体を市場に投入するスピードを飛躍的に向上できるという。

「本来であれば何カ月もかかっていた作業時間を数週間、場合によっては数日に短縮できる。これが今、私たちが目にしている最大の革命です」(ラフィーバ)

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文=瀬戸久美子 写真=ジェシカ・チョウ

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