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2026.10.20 14:45

TSMCにも売りが波及、マイクロソフトなどAI投資の採算が問われる

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大手テック企業はAIインフラへの巨額支出を回収できるのか

従来の財務指標でみれば、最大手のテクノロジー企業はコアウィーブより安全だ。マイクロソフト、メタ、アルファベット、アマゾンは、必要な投資資金の大半を事業活動で稼いだ現金から賄える。次のデータセンターを建てるかどうかを、金融機関の融資判断に委ねる必要はない。

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機器を売る企業は先に収益を得るが、購入側には償却費が残る

仮にメタがAIインフラへさらに1000億ドル(約15兆8000億円)を支出すれば、機器を納入する供給企業は納入に応じて売上高を計上する。メタは建設した設備などの費用を、何年にもわたって減価償却費として計上する。株主に利益をもたらすには、追加の広告収入や購読料収入、経費削減によって投資額を回収しなければならない。

インフラ建設が続く間は、ほぼすべての企業が利益を得ているように見える。エヌビディアはプロセッサーを売り、TSMCが製造する。ASMLは製造装置の販売を増やし、建設会社は施設を建て、電力会社は電気を供給する。メタは自社のAIモデルの性能が向上していると報告する。難しい計算が必要になるのは最後だ。巨額の設備投資が、追加でどれだけの現金を生んだのかが問われる。

米10年国債の利回りが約5%に達すると、資金を投じる事業の収益性を評価する基準も厳しくなる。安全資産の利回りがほぼゼロだった頃には、事業投資で8%の利回りを得られれば十分に妥当だった。しかし、建設の遅れ、技術の陳腐化、予測しにくい顧客需要といったリスクを負わずに5%超を得られるなら、8%という投資利回りも以前ほど魅力的には映らない。

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次回決算で注目すべき設備投資と現金収支

大規模クラウド事業者(ハイパースケーラー)の次回決算は、従来とは違う視点で評価する必要がある。設備投資をさらに増やせば半導体やインフラの供給企業には追い風だが、投資した企業自身のフリーキャッシュフローを圧迫しかねない。フリーキャッシュフローは、事業で稼いだ現金から設備投資などを差し引いて手元に残る現金を指す。反対に投資を減らせば、大手クラウド企業の現金収支は改善し得るが、受注に依存する企業の利益には打撃となる。

株価の底を見極めようとする前に、私は好材料への市場の反応を確かめたい。TSMCとASMLは本来なら株価上昇につながるほどの好業績を示したが、反応は鈍かった。市場予想を上回る決算でも株価が上がらなくなった時、投資家は発表済みの業績にはまだ表れていない問題を心配していることが多い。

売上高の成長率よりも、成長を実現するためにどれほどの現金が必要かを重視したい。コアウィーブは受注残が増えても、利払いが利益の大部分を奪いかねない。大手クラウド企業もAI関連の売上高を伸ばしながら、それ以上の速さで設備投資を増やす可能性がある。半導体メーカーは過去最高の利益率を上げながら、その利益率を将来引き下げる生産能力の増強に資金を投じているかもしれない。

財務が強い優良銘柄へ移っても、株価下落の危険は消えない

設備投資と株主利益に懸念があっても、AI関連株の上昇余地がなくなったと証明されたわけではない。急落後に大きく値を戻す銘柄もあるだろう。すでに割安になった銘柄もあるかもしれない。私は、わずか1週間の株価下落を理由にAI投資全体の終わりを宣言するつもりはない。

マイクロソフトやマイクロンにも残る投資収益の不確実性

懸念しているのは、財務が強いAI企業の株式へ乗り換えれば、リスクがなくなるという思い込みだ。資金調達に伴う危険はある程度減らせるが、投資家の損失まで防げるわけではない。マイクロソフトがコアウィーブと同じ資金繰りの問題に直面する可能性は低い。それでも、新規投資の収益が期待を下回れば、株主は損失を被り得る。マイクロンは高い利益を維持しながら利益率が低下するかもしれない。ASMLは半導体製造装置市場で独占に近い地位を保っても、顧客の発注延期を避けられるとは限らない。デルはAIサーバーの売り上げを伸ばしても、投資家が期待する利益率を確保できない場合がある。

AI関連株の売りは、借入金の多さがリスクを分かりやすくしていた企業から始まった。やがて、投資家が安全な避難先と考えていた高収益の供給企業やソフトウェア企業にも広がった。大規模クラウド事業者は半導体からデータセンターまで広範囲に資金を投じ、供給網のほぼ全体を支えている。

大手クラウド企業が売られれば、AIブームの資金源が問われる

売りが大規模クラウド事業者の株式にまで及べば、投資家の疑問はAIブームで最も弱い企業の財務問題にとどまらない。AIブームを支えている資金そのものが、利益を生み続けられるのかという問いに変わる。

AI関連株が下落するのに、AIへの需要が消える必要はない。需要に応えるための費用が、株主の得る利益より速く増えれば、それだけで株価を押し下げる理由になる。次に売られるのは、投資家が安全だと信じていた銘柄かもしれない。

(forbes.com 原文)

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