北米

2026.10.20 08:38

雪の多い冬が到来へ、それでも米スキーリゾートに人工降雪機が必要な理由

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旅行者にとって、大雪の予報はシンプルに聞こえる。より多くのパウダースノーと、より素晴らしいスキー体験が期待できるからだ。しかし、リゾート側にとっては話はより複雑になる。

The Old Farmer’s Almanacは毎年、長期の冬季予報を発表している。2026〜2027年の見通しでは、インターマウンテン・ウエスト、太平洋岸北西部、アパラチア山脈、北東部の一部、アラスカなど、米国の主要スキー地域の複数で平年を上回る降雪が予想されている。

自然雪が増えれば、人工降雪の必要性は下がるのだろうか。筆者は、平年より雪の多い冬が見込まれる地域のスキーリゾート、山岳ホテル、運営事業者に取材し、今季の見通しを聞いた。

降雪予報でスキーヤーの予約は増えるのか

好ましい冬季予報は期待感を高めるかもしれないが、スキーリゾート各社は、それが必ずしも即時の予約につながるわけではないとしている。

太平洋岸北西部で平年を上回る降雪が予想されるオレゴン州のマウント・バチェラーでは、シーズンパスの販売の大半は予報が出る前に行われる。

「マウント・バチェラーの経験では、長期予報は判断材料の一つにすぎず、購買行動を単純な形で左右するとは限らない」と、マウント・バチェラーの山岳運営ディレクター、ダスティン・スミスはメール取材で述べている。

一方で、1日券は事情が異なる。スミスによれば、予約から利用までの期間がはるかに短い傾向があり、大雪の後やコンディションが特に良い時に需要が高まるという。

平年を上回る降雪が予想されるインターマウンテン地域の一部、コロラド州テルライドでも同様の傾向が見られる。

マウンテン・ロッジ・テルライドの総支配人ケイシー・カウトは、前シーズンの雪不足が厳しかったことを受け、期待感と「かなりの繰り越し需要」があると話す。それでも、一部のスキーヤーは雪が降るのを待ってから予約を決めようとしているようだ。

「予約は加速しているが、例年のこの時期と比べるとまだやや遅いペースだ」とカウトはメール取材で述べている。ただし、最初の恵みの雪が降れば状況は変わると見込んでいる。

「雪が多すぎる」ということはあるのか

「雪の多い冬という点では、降れば降るほど大歓迎だ」とスミスは言う。ただし、大きな吹雪はスキーヤーが楽しめるようになる前に多くの作業を生むとも指摘する。

深い雪は、道路、高速道路、駐車場の除雪作業を圧迫する可能性がある。また、リゾート側のチームが嵐の後の復旧、雪崩対策、積雪の安全性評価を完了する必要があるため、ゲレンデの開放が遅れる原因にもなり得る。

テルライドも同様のトレードオフに直面する。「コロラド・ロッキーのスキータウンに『雪が多すぎる』ということはない」とカウトは言う。しかし、インチではなくフィート単位で積もる降雪は、交通の遅れを生み、町全体の除雪を難しくする可能性がある。

ベイル・リゾーツの広報担当者ローラ・ボンフィリオも次のように指摘する。「運営面での目標は、単に雪が増えることではなく、自然降雪、人工降雪インフラ、山全体の整備の適切なバランスを取り、シーズンを通じて安全で質が高く、一貫したゲスト体験をリゾートが提供できるようにすることだ」

大雪が実際に降った場合、ベイル・リゾーツはパークシティ・マウンテン、ブリッケンリッジ、クレステッドビュートで遠隔雪崩制御システムを使用する準備ができている。これにより、スキーパトロール隊が遠隔操作で人工雪崩を発生させ、大きな嵐の後により効率的にゲレンデを開放できる。

自然雪が人工降雪に取って代わらない理由

自然雪が増えれば人工降雪は減らせるが、必要性がなくなるわけではない。筆者が取材したスキーリゾートの多くが挙げた理由の一つは、シーズン初期の雪が「予測しにくい」ことだ。

「暖気や雨によって積雪は急速に減り、24時間で1フィート(約30cm)の雪が溶ける可能性もある。自然降雪を補うことで、シーズン初期のベースをつくり、変わりやすい状況に対する安全策を確保できる」とスミスは説明する。

ベイル・リゾーツでも、自然降雪は人工降雪の基本的な役割を変えるものではない。「人工降雪により、ゲストにとって可能な限り最良のシーズン初期およびシーズン中のコンディションをつくり、滑走エリアへのアクセスを改善し、天候変動の影響を軽減できる」とボンフィリオは述べる。

レイクタホのエバーライン・リゾート&スパ総支配人モニカ・ヒューバートも同意し、人工降雪が引き続き有用な具体的場面を挙げる。

「シーズン初期の積雪を確保し、利用者の多いエリアで一貫性を保ち、天候の変動に対応し、整備と雪質を支え、シーズンを通じて運営の信頼性を高めるのに役立つ」と彼女は説明する。

リゾートは人工降雪の環境負荷を減らせるのか

人工降雪には水とエネルギーが必要で、通常は電力を使うが、ディーゼルなどの燃料に依存するシステムもある。そのため環境負荷は、そうした資源がどこから来るかに部分的に左右される。

Journal of Sustainable Tourismに掲載された研究では、水の安全保障に不安があり、炭素集約度の高い電力網を持つ米国のスキー地域ほど、気候変動への不適応な対応として人工降雪を利用する可能性が高いことが示された。

ノースカロライナ州のビーチ・マウンテン・リゾートでマーケティング・営業ディレクターを務めるタリア・フリーマンは、自然降雪が増えれば目に見える違いが生まれ得ると述べる。

「自然雪は常に歓迎だが、コンディションの安定性に最も重要なのは結局のところ低温だ」とフリーマンは言う。「自然雪が増えれば、必要な人工降雪の量を減らせる可能性があり、運営コストとエネルギー使用量の削減につながり得る」

ビーチ・マウンテンは、人工降雪に飲料水ではなく、自然に補充される自社の水源を使用している。「当社は人工降雪システム、設備、インフラへの投資を継続している。人工降雪技術の改善により、より効率的に雪をつくり、好ましい気温を最大限に活用できる」とフリーマンは付け加える。

ベイル・リゾーツも人工降雪技術の更新に注力してきた。ボンフィリオによれば、同社は2015年以降、ポートフォリオ全体で1億ドル(約158億円)超を投じている。

バーモント州のオケモ・マウンテン・リゾートは、新しい人工降雪機、電動コンプレッサー、可変周波数駆動モーターを導入することで、効率を高め、年間約250,000ガロンのディーゼル燃料消費をなくせると見込んでいる。公式発表による。

オレゴン州のマウント・バチェラーも効率改善に取り組んでいる。「木質燃料エネルギー施設は今年12月に稼働予定で、約150,000ガロンのプロパンを置き換え、年間約1,000トンのCO₂排出を削減する見込みだ」とスミスは述べる。

それでも、人工降雪はスキー地域全体の気候フットプリントの一部にすぎない。

欧州28カ国の2,234のスキーリゾートを対象にした2023年のNature Climate Change掲載研究では、人工降雪やリフトを含むスキーリゾートの運営が、目的地全体のカーボンフットプリントに占める割合は約2〜4%にすぎないことが分かった。

はるかに大きな割合を占めるのは交通であり、スキー観光地に関連する排出量の50%超、時には80%超を占める。

したがって、リゾートが人工降雪の効率化に取り組む一方で、旅行者がどのように山へ向かうかは、スキー板の下にある雪がどのようにつくられたかよりも、はるかに重要である可能性がある。

(Forbes.com 原文)

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