米バンク・オブ・アメリカは米国時間2026年10月16日、人工知能(AI)への投資ブームが過去の大型投資ブームと同じように、投資家に損失をもたらす恐れがあると顧客に警告した。
市場予想では、巨大なデータセンターを運営するクラウド事業者による2026年10月以降12カ月間の設備投資が、1兆ドル(約158兆円)に達する見通しだ。予測額は2025年初めの3300億ドル(約52兆1400億円)から増えている。
約158兆円のAI設備投資は、過去のブームと同じ失敗に終わるのか
AI設備投資の予測額1兆ドルは、米国の国内総生産(GDP)の約3%に相当する。GDPに対する投資額の割合は、1870年代の鉄道ブームや1990年代のテクノロジーブームを上回る。
バンク・オブ・アメリカのストラテジスト、セバスチャン・レードラーは、基盤技術が成功しても大規模な投資が期待外れの結果に終わることは多いと指摘する。初期の高い利益率が投資を呼び込み、競争が激しくなることで価格が下がり、供給能力が需要を上回る速度で増えていくためだ。
社会が生活や産業を変える技術を手に入れても、投じた資金に見合う利益が得られるとは限らない。レードラーはAIそのものをまやかしだと考えているわけではない。AIの開発や普及に資金を投じる投資家が損失を被る可能性を懸念している。
トークン使用量が増えても、企業の支出は伸び悩む
AIモデルの利用料金の動向は、投資収益に対する懸念の一部を裏付ける。バンク・オブ・アメリカによれば、平均トークン単価は2026年夏以降に約50%下がった。トークンはAIモデルが文章を処理する際の単位で、利用料金の計算にも使われる。
企業の購入状況を追跡する経費管理プラットフォームのランプは、2026年8月と9月にトークン使用量が増えても、関連支出がほとんど伸びなかったと報告した。利用量の増加を上回る速さで単価が下がれば、AIの需要が増えても、AI向け計算処理能力を販売する企業の収入は減る。



