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2026.10.21 13:30

若い世代の音楽トレンドを「商機」に変えるBOSE──有線イヤホン復活から異業種連携まで

イヤホン新製品の発売に合わせて来日した、ボーズのラザ・ハイダー氏にポータブルオーディオ製品の事業戦略を聞いた

研究を自社製品だけでなく外部のパートナーにも循環させる

ボーズの差別化を根底から支えているのは音響分野における長年の基礎研究と、そこから芽吹く革新的な技術の数々だ。

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「ボーズには当社が誇る研究所があります。ノイズキャンセリングのような音響技術を開発する専門チームがあり、その成果が自社の製品だけでなく、パートナー企業の製品にも活きています」

ハイダー氏によると、ボーズは自社のコンシューマー向け製品に音響技術を活用するだけでなく、外部企業への技術提供にも積極的に取り組んでいる。外部パートナーが抱える課題や技術的な要件を研究開発部門と共有し、その成果をパートナーの製品に反映する協業の仕組みを築いている。近年のボーズが力を入れるライセンシング事業「Sound by Bose」だ。

代表的な協業先には、通信機器メーカーのモトローラやスマートグラスを展開するXREAL、日本のメーカーではエプソンのホームプロジェクターなどがある。こうした「Sound by Bose」の協業は、単にボーズのブランド名を貸すだけの取り組みではない。ノイズや音を制御するアルゴリズムなどボーズの音響技術を相手の製品に組み込み、その開発現場で得られる知見や課題を次の研究に還元する役割も担っている。

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エプソンのホーム用プロジェクター「EF-72」。ボーズがチューニングしたスピーカーシステムを内蔵している
エプソンのホーム用プロジェクター「EF-72」。ボーズがチューニングしたスピーカーシステムを内蔵している

ボーズがオーディオで培った強みを、異なるカテゴリーの製品価値へと結びつけるビジネスでもある。例えば現在進められている、ある航空会社との協業プロジェクトでは、機内に装備するヘッドホンへの音響技術提供に加え、航空機の客室内の騒音を管理する領域も視野に入っているという。

自社製品で育んだ技術を異業種に展開し、協業を通じて得た知見を再び研究開発に活かす。こうした技術の循環が、ボーズの事業領域をポータブルオーディオの枠を超えて広げようとしている。

日本市場への投資をさらに拡大

ボーズのポータブルオーディオ製品を支持する、日本のユーザーの印象をハイダー氏に聞いた。

「テクノロジーへの造詣が深く、優れた品質には相応の対価を支払うことを惜しまないユーザーに支えられていると実感します。プロダクトデザインやファッション性への関心も高く、多様な角度から音楽を楽しむことを大切にしています」

ハイダー氏は、ボーズと日本のユーザーとの「相性の良さ」を繰り返し強調した。

今後はアジア太平洋地域、とりわけ日本と韓国への投資をさらに拡大していく方針だという。新製品の投入を通じて従来からのボーズファンに上質なサウンドを届けるだけでなく、若い世代の音楽ファンにも「良い音を選ぶ楽しさ」を伝えることに力を注ぐ。

ラインナップを拡充するオープン型ワイヤレスイヤホンと、発表直後から大きな反響を呼んでいる有線ノイズキャンセリングイヤホン。これらの新製品が市場でどのように受け入れられるかが、ボーズの新たな挑戦の成否を占う重要な試金石になりそうだ。

連載:デジタル・トレンド・ハンズオン
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編集=安井克至

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