分散したつもりで一極集中、S&P500に連動する投信が抱える落とし穴
ポートフォリオ(保有資産の組み合わせ)全体で見たときの、集中のリスクもある。多くの投資家は、自分で思っているよりもはるかに多く、AIの浮き沈みに左右される資産を抱えている。米国の代表的な株価指数S&P500に連動する標準的なインデックスファンドは、まさにその支出をしている一握りの企業と、その支出を受け取る半導体メーカーに大きく偏っている。そこにテクノロジー株のファンドやグロース株(成長株)のファンド、いくつかの個別株が加われば、一見すると分散が効いているように見えるポートフォリオでも、AIが最大のリスク要因になっているかもしれない。
保有ファンドを洗い直し、供給網の幅広い銘柄に目を向けて急落に備える
では、投資家はこの状況にどう向き合えばよいのか。第一に、保有しているファンドの中身を組み入れ上位の銘柄まで確かめ、自分がAIにどれだけ投資しているのかを実際に点検することだ。
第2に、AIというテーマへの投資を続けたいなら、サプライチェーンの頂点にいる企業に集中させるのではなく、サプライチェーンに沿って分散することを検討したい。インフラや電力、設備を提供する企業は、どのAIモデルやプラットフォームが勝ち残っても、代金を受け取れる。
第3に、値動きが激しくなることを前提に、それぞれの投資額を決めることだ。長期的な見立てが正しかったとしても、AI関連の売上高が期待外れに終わる四半期が一度あったり、設備投資の見通しが引き下げられたりするだけで、買いが最も集中している銘柄は急落しかねない。
鉄道や光ファイバーも過剰建設を経験、報われるのは1社にすべてを賭けない人
鉄道から光ファイバーまで、技術を広めるための大規模なインフラ整備はどれも、長期的には莫大な価値を生み出す一方で、過剰投資による苦しい時期ももたらしてきた。AIも、おそらく例外ではないだろう。最も大きな成果を上げるのは、この流れに乗り続けながらも、1つの勝者にすべてを賭けない投資家である。


