金曜日の午後6時40分。新しいマネージャーのピーターは、3週間前にアムステルダムオフィスから異動してきたばかりだ。彼はあなたの戦略メモを差し戻し、2つのセクションにコメントを付けている。「このセクションは弱い」「論理が不明瞭」「書き直し」
あなたは週末中、メモ全体を書き直す必要があるのかと考え続ける。月曜日になると、ピーターはあなたが心配していることに驚いた様子を見せる。「全体の主張は良い。この2つのセクションを引き締めれば、水曜日に送れる」
今度は別の上司が、あなたのメモに「方向性はとても良い!少しだけ気になる点があります」と書いて返してきた場面を想像してほしい。安心したあなたは、いくつかの段落を整える。ところが月曜日、その上司はあなたの変更があまりに少ないことに驚いた様子を見せる。「主張の軸を組み直してほしかったのです。ほとんど表現を変えただけですね」
率直な上司が求めていたのは、数カ所の修正だった。励ますような言い方をした上司が求めていたのは、大幅な書き直しだった。言葉遣いのせいで、それぞれが何を期待していたのかについて、あなたは誤った印象を持ってしまったのである。
マネージャーは、批判の伝え方についてそれぞれ異なる習慣を身につけている。それは文化と性格の両方に影響される。最も強い異論を和らげて伝える人もいれば、ちょっとした変更についても率直に伝える人もいる。新しい上司と働き始めたばかりのときは、そうした習慣をどう解釈すればよいのか、まだ学べていない。
上司のフィードバックが意味すること、そして次に何をしてほしいのかを見極めるための5つの方法を紹介する。
1. 上司がどのようにフィードバックするのかを尋ねる
最初の数週間のうちに、この点を話題にするとよい。たとえば、マネージャーが最初の課題を返してくれたタイミングが適している。
次のように尋ねてみるとよい。「ドラフトをレビューしていただく際、数カ所の修正を求めているのか、それともより大幅な書き直しを求めているのか、どのように判断すればよいでしょうか」
あるいは、こう尋ねることもできる。「必須の変更と提案にとどまる変更は、通常どのように示されていますか」
2. どこを変更する必要があるかに着目する
上司が何を変えてほしいのかを把握するため、コメントを注意深く読む。ある段落の横に「ここは分かりにくい」と書かれている場合、単に一文を明確にすればよいという意味かもしれない。一方で、丁寧な表現で「これが誰に向けたものなのか、再考してもよいかもしれません」と書かれている場合、メモ全体の焦点を変える必要があるという意味かもしれない。
3. 上司特有の言い回しの意味を把握する
文化的な規範は、人々が批判をどう表現するかに影響し得る。ただし、あなたの上司が想定どおりのパターンに当てはまるとは限らない。オランダ人のマネージャーなら率直だろうと思っていたら、批判を穏やかに表現する人かもしれない。あるいは、英国人のマネージャーなら批判を和らげて伝えるだろうと思っていたら、実際には歯に衣着せぬ人かもしれない。
何度かフィードバックを受けたら、上司が特定の表現を使うときに何を期待しているのかに注意を向ける。「小さな点が1つあります」が、いつも大幅な書き直しを意味しているのか。「これは機能していない」が、通常はすぐに直せる修正を求めているだけなのか。そうしたパターンを覚えておけば、次のコメントを解釈する助けになる。
4. 次のバージョンに何が必要かを尋ねる
コメントを読んでも何を変えるべきか分からない場合は、修正に着手する前に上司に尋ねる。
次のように聞いてみるとよい。「主張の軸は機能していますか。それとも、そこから考え直したほうがよいでしょうか」
コメントが多い場合は、こう尋ねることもできる。「次のドラフトで最も重要なのは、どの点を正しく仕上げることですか」
その答えによって、どこから着手すべきかを判断しやすくなる。主張の軸を変える必要があるなら、個々の段落を磨き込む前に、まずそこを整理すべきだ。
5. 上司のフィードバックをどう受け取ったかを伝える
上司のコメントを誤解していた場合は、誤解が解けた後で何が起きたのかを説明する。上司は、数カ所の修正を求めたつもりが、ドラフト全体への不満のように聞こえていたとは、まったく気づいていないかもしれない。
次のように伝えてみるとよい。「コメントを読んだとき、全面的な書き直しを求められているのだと思いました。数カ所の修正という意味だったと分かり、助かりました。まだ、フィードバックのいただき方に慣れているところです」
それを知ることで、上司は次回からより明確に伝えられるようになるかもしれない。たとえば、「全体の主張は機能しています。この2つのセクションを引き締めてほしいだけです」といった一文を加えることができる。
新しい上司を知ることには、その人がどのようにフィードバックをするのかを学ぶことも含まれる。コメントを読んで不安になったり混乱したりしたときは、それが自分のパフォーマンスについて何を示しているのかを判断する前に、何を変えてほしいのかを尋ねるべきだ。



