宇宙

2026.10.19 15:00

日本「MMX」と中国「天問3号」の火星サンプル採取計画、ともに2031年に地球へ帰還する可能性

JAXA

サンプル採取を完了すると、MMXは火星周回軌道に戻り、探査モジュールを切り離して投棄し、復路モジュールだけが地球への帰還軌道に入る。そして、2031年に地球に近づくと、サンプルの入ったカプセルだけを分離し、はやぶさ2などと同様、オーストラリアの大地でそれを回収する予定だ。

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中国は、火星地表からのサンプル採取を試みる

日本においては、小惑星探査機はやぶさ(イトカワ、2010年帰還)と、はやぶさ2(リュウグウ、2020年帰還)を成功させた実績がある。また、今回のミッションでは、オサイリス・レックス(ベンヌ、2023年帰還)を成功させたNASAとも協働しており、その観点においては万全の体制といえるだろう。

一方で中国は、月からのサンプルリターンを2回成功させている。1度目は嫦娥5号(2020年帰還)によるもの。また、2度目の嫦娥6号では、月の裏側からのサンプルリターンを史上初めて成功させている。

ただし、中国が挑む火星地表からのサンプルリターンは、イトカワ、リュウグウ、ベンヌなどの小惑星からのサンプルリターンよりも格段に難易度が高い。なぜなら火星の重力が強いからだ。火星地表に降下する際には、機体は非常に高い熱にさらされる。また、サンプルを火星軌道に戻す際には、火星地表からの再打ち上げが必要になる。こうした複雑かつ難易度の高いミッションの成功率を上げるために中国は、着陸と地表からの上昇を担う機体と、火星軌道周回と地球帰還を担う2機の探査機を打ち上げ、これに対応しようとしている。これによって中国は、火星地表から500g以上のサンプルを持ち帰ることを目指す。

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サンプルリターンを第一目的に据える中国は、現地滞在期間を1年程度に見積もり、最短でのリターンを予定する。その結果、地球へ帰還する機会を1回見送るMMXよりも2年早く、そしてMMXと同じ2031年に地球に戻ることになる。このミッションに成功すれば、1976年にクリュセ平原に着陸したバイキング1号以来、50年間にわたって火星地表を探査しているNASAに先駆け、火星のレゴリスを史上初めて中国が獲得することになる。

日本のMMXと、中国の天問3号は、一面においては国家間の宇宙開発レースとして捉えられている。しかし、いまから5年後の2031年に、日中両国のプロジェクトがともに成功裏に終われば、火星とフォボスの土壌サンプルが同時にもたらされることになる。広く考えればこれら両施策によって、人類における火星圏の研究が大きく前進することになるだろう。

中国国家航天局は2026年4月、天問3号が採取するサンプルを国際協力のために開放すると発表した。その公募に対して28件の応募があり、香港大学、深セン大学のほか、国際空間研究委員会(COSPAR、本部パリ)などの研究機関に提供される予定だ。

翻訳=安井克至

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