経済・社会

2026.10.19 09:30

中国の貿易黒字、約190兆円で最高更新記録へ──それでも国内で負けている理由

Photo by Andrew Harnik/Getty Images

為替批判を浴びる日本、米国は1998年以来の円買い介入に加わった

習はおそらく、為替をめぐってトランプ陣営からの批判を日本が一身に浴びている様子を、ほくそ笑みながら眺めていることだろう。スコット・ベッセント米財務長官が強い関心を寄せているとみられる国際経済の問題はそう多くないが、原油高と並んで、円安はその数少ない1つである。

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米財務省は米国時間2026年7月31日、日本の財務省と協調して円買い介入を実施した。米国が本格的な協調介入で円を買い支えたのは、ロバート・ルービン財務長官の時代にあたる1998年以来となる。米国は2011年3月18日にも協調介入に加わったが、このときは円売りの介入だった。だが、2026年7月の介入による円相場の押し上げは、これまでのところわずかにとどまっている。

4.3%成長ではデフレマインドは変わらず、GDPを上回る家計貯蓄

とはいえ、中国経済そのものに、トランプの貿易面での揺さぶりをしのげるだけの備えがあるわけではない。経済はそれなりに持ちこたえているが、5%を超える成長が続いた時代は終わったようだ。直近の4〜6月期の国内総生産(GDP)は前年同期比4.3%増で、悲観するほどの数字ではない。だが、消費を冷え込ませ続けている「デフレマインド」を変えるには、勢いが足りない。

もちろん、問題は成長の速さだけにとどまらない。国際通貨基金(IMF)から投資銀行まで、さまざまなエコノミストが何年も前から、社会のセーフティネット(安全網)を拡充するよう習に求めてきた。14億人の中国の消費者が、将来に備えて貯蓄を積み増すのをやめるには、セーフティネットの拡充が欠かせないからだ。中国の家計の貯蓄は22兆ドル(約3476兆円)にのぼり、その額は中国の経済規模全体をも上回る。

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中東紛争も消費者心理を上向かせず、中国の行方は国内経済が決める

不動産市場がほぼ絶え間なく苦境に陥っているのを目の当たりにしていては、消費者全体の心理が上向くはずもない。トランプの貿易戦争や、中東で起きている実際の武力衝突も同じだ。中東の衝突は、エネルギー価格を急騰させ、地政学的な緊張をそれ以上に高めている。

まさに、1つの国の中に2つの経済があるかのようだ。輸出を映す画面は、華々しい見出しを飾るかもしれない。だが、中国の行く末を決めるのは、国内を映すもう一方の画面のほうである。そしていま、その画面に映る光景は、ますます直視しがたいものになりつつある。

(forbes.com 原文)

翻訳=酒匂寛

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