巨大計画は稼働にこぎ着けるか、オラクルが不可抗力条項に基づき通知
さらに悪いことに、巨大プロジェクトの多くが結局は稼働しないのではないかという恐れが投資家の間で広がっている。9月には、オラクルが、ニューメキシコ州の巨大データセンター「プロジェクト・ジュピター」をめぐって、電力の確保や許認可の遅れを理由に、開発元の資産運用会社ブルー・アウル・キャピタルに、不可抗力(フォース・マジュール)の通知を送った。不可抗力条項は、天災など当事者の力の及ばない事態が起きたときに、契約上の義務を免れたり、猶予されたりできるようにする取り決めである。
この通知によって、オラクルは、プロジェクトが予定どおり2028年までに稼働しなかった場合の金銭的な義務から身を守れる。これを受けて、オラクルの株価は下落し、プロジェクトの債務も、返済への不安を映す水準(ストレス水準)まで値下がりした。
レイ・ダリオは債務膨張を懸念、AIバブルが崩壊点に近づく
ビリオネア(資産10億ドル[約1580億円]以上の富豪)の投資家レイ・ダリオは、現在のAIブームをバブルとみている。ダリオをはじめ、膨らみ続ける負債が、このバブルをはじけさせかねないと懸念する人もいる。ダリオは10月、シンガポールで開かれた「Forbes Global CEO Conference」で、「私たちがいるのは、バブルのサイクルのなかで、はじける手前の局面です。ただ、はじける時点に近づいています」と語った。
建設が止まれば景気後退に陥る、ブラックロックCEOが警告
データセンターの建設が少しでも鈍れば景気後退を招きかねないと心配する声もある。たとえば、米国の中間選挙のあと、政治的な反発を受けて、建設が凍結(モラトリアム)されたり、一時停止されたりする場合である。
資産運用大手ブラックロックのCEO、ラリー・フィンクは米国時間10月14日、CNBCのインタビューで、こう語った。「私たちの経済のかなりの部分が、この設備投資による建設の上に成り立っています」「この国で何らかの凍結が行われれば、景気後退に陥るでしょう」。
今のところ、投資家はまだ、AIデータセンターブームに資金を出すつもりでいる。ただ、そのリスクに見合うだけの、はるかに大きな見返りを求めているのである。


