米スポーツ用品大手ナイキの株価は、この1年で43.3%下落した。同じ期間に、米国の主要500社で構成される代表的な株価指数「S&P500種株価指数」は17.9%上昇している。
ナイキの経営陣は、米国時間10月1日の決算説明会で、2027年度(2026年6月〜2027年5月)も減収が続くとの見通しを示した。「ダンク」などのスニーカーの販売を減らしているためだ。いまナイキ株を買う投資家は、この減収を見越した水準まで株価がすでにこの減収を見越した水準まで株価がすでに下落している。
では、ナイキ株は買ってもよいほど安くなったのか。それとも、買いを入れるのはまだ時期尚早なのだろうか。
ナイキ株は割安に見えるが、利益率を見ると印象が変わる
9月末の時点で、ナイキの株価は1株あたり利益の17.0倍、つまり株価収益率(PER)17.0倍で取引されていた。2017年度以降の四半期末40回のなかで、最も低い水準だ。ただし、いまのナイキは、以前ほど利益を上げられなくなっている。2026年8月までの12カ月間に、ナイキが売上高のうち営業利益として手元に残したのは8.2%だった。2021年8月までの12カ月間には15.8%あった。この割合を営業利益率といい、四半期末40回のうち、現在より営業利益率が低かったのは5回だけである。PERは低いが、その裏で、事業の稼ぐ力ははるかに弱くなっている。
キャッシュフローの観点から見ると、ナイキ株は市場全体より割高に見える。ナイキの時価総額は、直近12カ月の営業キャッシュフローの19.8倍にあたる。S&P500全体では14.7倍である。ナイキの直近12カ月の営業キャッシュフローは28億ドル(約4424億円)で、1年前の35億ドル(約5530億円)から減った。
2027年度第1四半期(2026年6〜8月期)の売上高は、前年同期比で4%減った。経営陣は10月1日の決算説明会で、減収の理由を3つ挙げた。意図して供給を絞ったこと、普段履き・カジュアル用途のライフスタイル向け主力スニーカーが振るわなかったこと、そして市場全体の逆風である。事業の立て直しを進めている中華圏(グレーターチャイナ:中国本土、香港、台湾など)の売上高は、為替変動の影響を除くと、この四半期に26%減った。



