欧州

2026.10.19 13:13

アクセンチュア、アンソロピック「Claude」の会社負担を1人月約4600円に制限──生成AIの費用問題

Robert - stock.adobe.com

AIモデルの種類と自律処理の回数で変わる請求額

アンソロピックの公開API料金からは、どのAIモデルを利用するかで費用が大きく変わることが分かる。条件を満たす短い入力文の場合、Haiku 5.5は入力100万トークン当たり最低0.10ドル、出力100万トークン当たり0.50ドルだ。

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Sonnet 5.5は入力100万トークン当たり2ドル、出力100万トークン当たり10ドルだ。Opus 5.5は入力100万トークン当たり4ドル、出力100万トークン当たり20ドル。さらに高額なFable 5.1は入力100万トークン当たり10ドル、出力100万トークン当たり50ドルとなる。

例えば、月に入力1000万トークン、出力200万トークンを処理するとしよう。公開されている標準料金で計算すると、条件を満たす短い入力文をHaiku 5.5で処理した場合は約2ドルとなる。Sonnet 5.5なら40ドル、Opus 5.5なら80ドル、Fable 5.1なら200ドルだ。

軽い業務であれば月29ドル(約4600円)の負担枠で足りる可能性がある。しかし、高性能モデルを使って複雑なプログラミングや調査をすれば、同じ枠をすぐに使い切りかねない。

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料金の比較では、過去の入力内容を再利用するキャッシュ、特別な処理料金、追加ツール、法人向けの個別割引を考慮していない。アクセンチュアの実際の利用状況や請求額を示す計算でもない。

AIが複数の作業を自律的に進める「エージェント型AI」は、費用の把握をさらに難しくする。AIの自律性が高まるほど、従業員が入力する依頼文の数と処理費用は比例しなくなる。開発者が不具合の修正を1回頼むだけで、AIはファイルを調べ、コードを書き、テストを行い、エラーを直す。ファイル調査からエラー修正までにAIモデルの呼び出しが数十回発生し、1回の依頼から高額な処理が連鎖する可能性がある。

従来の業務用ソフトウェアでは、従業員が使う回数に関係なく、企業が予測しやすい定額の利用料を払うのが一般的だった。利用のたびに費用が増えるAIは、従来の料金構造と根本的に異なる。

Claudeだけを制限したのか、他社のAIにも適用したのか

アクセンチュアの新方針には、適用範囲という大きな疑問も残る。Claudeだけを対象にするのか、それともOpenAIやPerplexityなどの従量課金型AIも含む、全社的な費用管理の一環なのか。Google Gemini、Microsoft Copilot、クラウド基盤や社内アプリ経由で使うAIにも、同様の制限を設けたかどうかは分からない。

アクセンチュアはOpenAIとも戦略提携している。多くの大企業と同じく、AIの利用を1社のサービスに限っているとは考えにくい。Claudeだけに新たな負担枠を設ければ、従業員は承認済みの別のAIシステムへ移るかもしれない。従業員が他社製AIに切り替えれば、アンソロピックへの支出は減っても、アクセンチュア全体のAI利用費が減るとは限らない。

従量課金型AIすべてに同じ制限が適用されるなら、AIの管理方法そのものを大きく変える方針といえる。提供企業ごとに異なる契約を結び、定額料金や契約内の利用枠、個別交渉した割当枠、従量課金を組み合わせている可能性もある。契約内容が違えば、事業者間の料金比較は簡単ではない。

Claudeの月29ドル(約4600円)の社内負担枠は、別の事業者のAPIに29ドル(約4600円)を使うことや、AI機能込みの定額ソフトウェア契約と同じ意味にはならない。

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