【重要】復旧のご報告セキュリティ対策に伴うメンテナンスおよび会員機能の一時停止について

『さるかに合戦』のサルは本当に悪者か?〜あの物語を「デカボ視点」で読んでみた #4

仇討ちの仲間が「柿の木」に集まったら 

最後に、子ガニが復讐のために集めた仲間を思い出してみます。栗、蜂、牛の糞、臼。囲炉裏で弾けるもの、サルを刺すもの、転ばせるもの、サルの上から落ちてくるもの。持ち場の異なる面々が、それぞれの役目をきっちり果たしています。

advertisement

この顔ぶれが、仇討ちの代わりに柿の木に集まっていたらどうなっていたか。春には蜂が花を巡って受粉を助け、牛の糞は土を肥やす。木が実をつければ、サルが登って実をもぎ取り、子ガニたちがそれを分ける。臼では採れた果実を使った餅をつき、そこに栗餡を包む。合戦にはならず、小さな収穫祭になっていたことでしょう。サルの最初の口上も、そこでようやく本当になります。分け合える木には、毎年実がなる。

この秋、柿をたくさんもらったら、ひとつ誰かに分けてみてください。サルの汚名も、それで少しはすすげるはずです。



この連載では、広く読み継がれてきたポピュラーな物語を、独自の観点で解釈しています。
科学的な裏付けをベースにしていますが、厳密な調査や研究に基づく論文とは異なり、あくまで架空の読み物としてお楽しみください。

advertisement

文=関根澄人

タグ:

連載

「デカボ」で変わる世界の見え方」

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事