世界で最も大気汚染が深刻な地域が依然として大気汚染対策に必要な資金を得られていないことが、新たな分析で明らかになった。
クリーン・エア・ファンドが毎年発表している「世界の大気質資金に関する現状報告書」によれば、世界で最も汚染が深刻な国々のうち5カ国では、2024年に大気汚染対策に充てられた資金が1人当たり年間2ドル(約316円)未満にとどまったという。
同報告書は、大気汚染が依然として人間の健康に対する世界最大級の環境リスクであり、毎年約790万人の早期死亡を引き起こしていると指摘する。
さらに、こうした死亡の10件中9件は低・中所得国で発生しているにもかかわらず、大気汚染対策(クリーンエア分野)に向けた公的開発資金は「慢性的に低水準」のままだとしている。
報告書は、一部の開発資金提供者が大気質(空気の清浄度)の改善を優先課題として位置づけつつある「前向きな兆候もある」とする一方で、資金規模は依然として小さく、特定の国や分野に偏っており、最も必要としている国々に届いていないケースが多いと指摘している。
屋外の大気質改善に向けた資金は2023年から2024年の間に17億ドル(約2690億円)増加し、2022年のピーク水準にほぼ回復した。
しかし、こうした回復にもかかわらず、国際開発資金全体に占める割合は依然として1%未満にとどまっているという。
また、大気質関連資金の総額は、2019〜2023年の1138億ドル(約18兆円)から2020〜2024年の1246億ドル(約19兆7000億円)へと9%増加した。
ただし、報告書によれば、こうした中期的な伸びは直近の反転傾向を覆い隠しており、2024年の大気質関連資金の総額は前年比で6%減少し、5年ぶりの年次減少を記録したという。
さらに、資金支援は依然として一部の出資機関や特定のプロジェクトに偏っており、2020〜2024年の屋外大気質関連資金全体の53%を、わずか10件のプロジェクトが占めていたとしている。
報告書は「大気質資金は依然としてニーズとかけ離れた配分となっている」と指摘。「2024年、世界で最も汚染の深刻な10カ国のうち半数は、1人当たり総額2ドル未満の大気質資金しか受け取っていなかった」としている。



