年収減でも心に余裕
転職後の生活や心境の変化についての自由回答からは、年収だけでは測れない満足度も見えてくる。年収が上がった人からは、次のような声が寄せられた。
「貯蓄や運用にお金を回せるようになり、将来の不安が軽減された」(サブコン・40代男性)
「子どもの学費など経済的な不安が解消し、気持ちが楽になった」(大規模修繕・40代男性)
一方、働き方が改善した人からは、次のような声があった。
「残業や長期出張がなくなったことで精神的に楽になっただけでなく、家族と過ごせる時間も増えて満足している」(ゼネコン・40代男性)
「年収はほぼ変わらなかったが、残業が圧倒的に減ったので生活に余裕ができた」(ゼネコン・30代男性)
「年収は下がったものの働き方が変わったことで、それ以上の心の豊かさを得ることができて満足している」(サブコン・20代男性)
年収が上がったことで経済的な不安が軽減された人がいる一方で、収入が変わらなかったり下がったりしても、働き方の改善によって生活に余裕が生まれた人がいることがわかる。
働き方改革と人材確保
今回の調査では建設業界の転職決定者の間で、年収だけでなく休日数や残業時間などの働き方を重視する傾向が確認された。ただし、2024年4月に適用された時間外労働の上限規制によって、実際に労働時間や待遇がどの程度改善したのかは、今回の調査だけでは判断できない。また、調査対象は転職を決定した人に限られており、転職せずに建設業界で働き続けている人の満足度を示すものでもないことは頭に入れておきたい。
この調査結果を見て思い出したことがある。先日通りかかった土木工事現場で「週休2日制を導入しています」と大きく書かれた看板を目にした。かつては工事が終わるまで休みなく作業が続くような印象を持っていたが、工事現場でも働く人の休日を確保する取り組みが進められていることを実感した。人手不足が続く建設業界において、給与水準の引き上げだけでなく働く人が無理なく仕事を続けられる環境を整えることも、人材確保の重要な条件になっているようだ。
【調査概要】
調査名:建設業の転職と年収に関する意識調査
調査元:株式会社クイック(アンドプロ)
調査期間:2026年7月30日~8月6日
調査対象:アンドプロに登録した全国の建設業従事者のうち、直近3年間(おおむね2023年下半期~2026年上半期)に転職を決定した人
有効回答数:198件


