AI

2026.10.20 15:00

AI浸透で新たに生まれる役割、「人員代替」を乗り切るためのヒント

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エントリーレベルの仕事

ここからがこのトークの興味深い部分だ。テシマレは、人間が担うエントリーレベルの仕事をAIで置き換えるという考え方について、現在見られる矛盾した兆候を取り上げた。

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「興味深いことに、実際に当社で目にしているのは、従業員全体においてエントリーレベルの職が実は10%増えていることだ」とテシマレは語った。「同業他社でも同じような傾向が見られる。そして私たちは皆、同じ疑問を抱いている。市場全体ではこうした職種が消滅するだろうと言われているのに、一体何がこの動きを生み出しているのか、と。そこにはいくつかの要因が絡んでいると思う。その1つが、『AIネイティブ』という考え方だ。私にとってAIは第一言語ではない。だが、新卒の人たちにとってAIは、ますます第二の天性になっている。彼らは『AIファースト』で考える」

さらに、そこではある種のアジリティも働いているとテシマレは指摘した。「若い人たちが問題に取り組んだり、解決策を探したりするとき、必ずしも古いシステムや従来の仕事のやり方から出発するわけではない」とテシマレは語った。「代わりに、AIネイティブな環境で何を作れるかをまず考える。これは実に刺激的な変化だ」

X世代のビジネスパーソンもこれに共感するはずだ。

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人間の新たな役割:ソリューション・アーキテクト

テシマレはまた、ソリューション・アーキテクトが人間にとって主要な役割の1つになる可能性があると指摘した。ソリューション・アーキテクト(Solution Architect:SA)とは、企業のビジネス上の課題やニーズを解決するために、最適なITシステム全体の設計(アーキテクチャ)を統括・定義する役割を持つ専門家のことだ。

「ソリューション・アーキテクトという職務は以前からあるが、エージェントやマルチエージェントを組み込み、それらを連携させ、これら全てのシステムのアーキテクチャや、データを超えて連携して動作するアーキテクチャを描こうとするこのシステムにおいては、それがどれほど複雑なことなのかに人々は気づいていると思う。どのモデルを選べばいいのか、という問題もある。そこで、こうしたものを取り巻くアーキテクチャを構築する役割が生まれる。これもまた、どちらかといえば新しい職務だと思う」。加えて、テシマレは戦略と変革も人間が担う領域として挙げた。

話の途中でシャクトは、この劇的な変化のうち、どれほどが意図的なものだったのかという鋭い質問を投げかけた。

「この成長のうち、どの程度が意図的なものだったのだろうか」とシャクトは尋ねた。「つまり、これらの役割のうち、組織が新たなニーズを認識し、それに対応する役割を設計するという、意図的な人員計画を通じて創出されたものはどれほどあるのだろうか。そして、幸運な偶然や実験、あるいは特定のタスクに多大な時間がかかっていることに気づき、専任の役割を設ける必要があると判断したことで、自然発生的に生まれたものはどれくらいあるのだろうか。これらが意図的な戦略の一部であったのか、それともAI導入に伴う試行錯誤や学習曲線を通じて進化したものなのか、その割合に興味がある」

「私たちは皆、市場における大きな技術的変化と変革に対応している最中だ。そのため、最初から必ずしも意図的だったものはなかったと思う」とテシマレは語った。「それらは段階的に現れてきたのではないか。まずガバナンスの役割が生まれ、その次に戦略の役割が生まれた。だがソリューション・アーキテクトについては、『たくさんのツールやテクノロジーを導入しているのに、そのオーケストレーション層を統括している人が誰もいない。エージェント間のつながりを図っている人もいない。これらの複数のエージェントを導入するユーザーたちのユーザー体験について考えている人もいない』と気づいたことで生まれた」

テシマレは次のように総括した。「主な原動力も意図的なものではなかったと言えるだろうが、非常に短期間で重要な役割となり、今ではほとんどの組織が必要としているものになった」

次ページ > データは、AI時代の石油である。

翻訳=溝口慈子

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