ストレスとの関係を捉え直す
どれほど仕事や人生が完璧に見えたとしても、ストレスや心の痛みを免れる人はいない。ストレスを避けたいと思うのは自然なことだが、ストレスを認め、それを捉え直すことで、その奥にあるより深い意味、たとえば愛、野心、思いやりへの手がかりが得られることがある。「ストレスが状況について何かを教えてくれるものだと理解すれば、それを別の形で処理する助けになります」とギーランは言う。
ギーランは著書の中で、筋肉が負荷によって成長するのと同じように、困難を避けるのではなく向き合うことで精神的・感情的な強さも高まり得る、と書いている。Journal of Personality and Social Psychologyの研究では、従業員がストレスを害を及ぼすものではなく力を高めるものとして捉えた場合、頭痛や疲労といったストレス関連症状が23%減少したことがわかった。また、仕事満足度も高まり、燃え尽きにくくなったと報告している。
自分の人生においてストレスを捉え直すことは、身につけられるスキルである。ギーランは「ストレス・ストーリー監査」を行うことを勧めている。人生の中でストレスの多かった章(失業、離婚、大きなプロジェクトの失敗など)を書き出し、次の3つの問いを使って日記を書く。
・その経験は、私は(空欄を埋める)だと教えてくれた
・その経験は、私を(空欄を埋める)に近づけてくれた
・その経験は、私に(空欄を埋める)への備えを与えてくれた
この振り返りのエクササイズは、自分が最も暗い瞬間を生き延びてきたことを思い出させてくれる。そしてストレスから逃げるのではなく、過去にレジリエントであったこと、そして再びレジリエントになれることを示すリマインダーへと変えることができる。
楽観性に向けて脳を鍛え直す
ギーランは、暗い時期を乗り越えるうえで、可能性と進歩に目を向けることが自身の人生でどのように役立ったかを示す例を語っている。娘が早産で生まれ、新生児集中治療室(NICU)で50日間を過ごしたとき、ギーランは、患者の容体急変のような深い喪失や悲しみに直面しても、患者のために現場に立ち続けるNICUの看護師の1人に触発されたという。
その看護師は、自分が実践していたことの1つとして、「緊急時用」フォルダーを持っていると話した。そこには、自分が家族に与えてきた前向きな影響を思い出させてくれるメモや写真が入っていた。この実践は、最もつらい日であっても前に進み続ける力となり、なぜこの仕事をしているのかを思い出させてくれた。彼女は上級看護師でもあったため、そのレジリエンスは同じフロアの他の看護師にも影響し、波及効果を生んだ。


