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2026.10.15 11:15

米大手4行が稼ぐ陰で借り手企業の株主が損をする、好決算に株式投資家が身構えるべき理由

William - stock.adobe.com

純利益約2兆4174億円でも、融資先が安泰とは限らない

JPモルガンの7〜9月期の純利益たは153億ドル(約2兆4170億円)だっ。融資などで受け取る利息から預金などに支払う利息を差し引いた純金利収入(net interest income)は、前年同期比で13%近く増え、約270億ドル(約4兆2660億円)に達した。融資残高は10%、預金残高は8%増え、個人向け事業も堅調を保った。数字が振るわなかった理由を説明している銀行よりは、こうした数字を出している銀行の株を持ちたい。とはいえ、JPモルガンの決算がよいからといって、同行からお金を借りている企業もみな同じように余裕があるとは限らない。金利の上昇で借り手企業の株主が痛手を負うのは、その企業が返済に行き詰まったときだけではない。高くなった利息をきちんと払い続けているだけでも、株主の取り分は削られていく。

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借金の利率が3%から8%に、株主に回るはずだった現金が消失

金利3%の借金を8%で借り換える企業は、おそらく必要な現金をどうにか工面するだろう。経営陣は、設備投資を減らす、欠員を補充しない、買収を先送りする、自社株買いをやめる、といった手を打てる。融資は滞りなく返済され、銀行はより多くの利息を受け取る。消えるのは、株主が自分たちのものになると思っていた現金である。

銀行の損益計算書と借り手の損益計算書とで、変化が表れる速さが違ってくるのは、この場面である。銀行は、借り換えの手数料をすぐに収益として計上できる。一方、借り手の企業は、膨らんだ利払いに合わせて支出を削りながら、何四半期も過ごすことがある。採算がどれほど変わったのかを投資家が理解するのは、そのあとだ。

引当金積み増しは景気後退の予告でない、警戒は不良債権が出る前に始まる

JPモルガンは7〜9月期に、与信関連費用(融資の焦げ付きに伴う損失や、その備えにかかる費用)として27億ドル(約4270億円)を計上した。このうち、回収の見込みがないとして実際に損失処理した貸倒償却の額は22億ドル(約3480億円)で、さらに5億3900万ドル(約852億円)を引当金に積み増した。この積み増しの大半を占めたのが、企業向け融資の分である。

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1度の引当金の積み増しを、景気後退の予告と読むつもりはない。早い段階で表れた目印として受け止めている。積み増しがここで止まれば、大した意味はない。だが、同じような慎重さがほかの大手銀行にも表れ始めたら、その背後にどの業界があるのか、そしてその業界の企業が今後2年間にどれだけの借金を借り換えなければならないのかを知りたい。

銀行はたいてい、借り手の返済が止まるより前から警戒を強める。株式投資家が気にかけるべきなのは、まさにその期間である。融資が不良債権に分類されるよりずっと前から、企業の価値は損なわれ始めることがあるからだ。

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翻訳=酒匂寛

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