顔の整え方を知っている人は少数派
顔や肌、表情を整えることをビジネスパーソンの自己管理のひとつと考える男性は72.7%。見た目に時間やお金を使うことを自己投資と考える人も70.0%に上った。しかし、顔の印象を良くする具体的な方法を知っている人は38.5%にとどまった。

一方、顔の印象を自分の行動やケアによって変えられると考える男性は71.6%。項目別に意識的に整えられると思う割合を見ると、「服装」「表情」「姿勢・立ち居振る舞い」が上位を占めた。一方で「肌」は53.5%、「目元」は54.5%と低かった。また顔の印象を変えられないと回答した156人に理由を尋ねると、「生まれ持った顔立ちだから」が28.8%で最多だった。

顔の印象は自分で変えることができる
では、顔の印象は生まれ持った顔立ちによって決まるものなのだろうか。顔の認知研究を専門とする中央大学文学部の山口真美教授は「人は相手の顔を見た瞬間に、主に“信頼性”と“支配性”という2つの軸に、“魅力”を加えて印象を判断する」と説明する。
例えば、目から離れた高い位置の眉や、微笑み、自然に上がった口角は、柔らかく親しみやすい印象につながる。一方で、がっしりした顎や太い眉、口角の下がった表情などは、力強さや威圧感につながるという。また顔の魅力には顔立ちだけでなく、肌の質感や色調も関係する。色ムラやくすみが少なく均一な肌ほど、健康的で魅力的に見えるという研究もある。
山口教授は「生まれ持った顔のパーツを変えることは難しくても、表情や肌の状態によって顔の印象を整えることはできる」と指摘する。具体的には、信頼感を与えたい場合は眉間の力を抜き、口角を自然に上げるなど柔らかな表情を意識すること。清潔感を与えたい場合は、肌の状態や髪型などを整えることが重要だとしている。

山口 真美氏(やまぐち・まさみ)中央大学文学部教授。専門は認知科学(乳児の視覚)。日本顔学会理事。著書『美人はそれほど得しない? : ルッキズムの科学』(早川書房 2026年2月)、『自分の顔が好きですか?――「顔」の心理学』(岩波ジュニア新書 2016年5月)など。NHK総合『実証科学バラエティー 百聞はジッケンに如かず』などの番組に出演し、顔認知に関する研究成果を紹介。
今回の調査で、男性ビジネスパーソンが相手に持たれたい印象として上位に挙げたのは「信頼」と「清潔感」だったが、これらは必ずしも生まれ持った顔立ちだけで決まるものではないというのが興味深い。どのような印象を相手に与えたいのかを意識し、表情や身だしなみ、立ち居振る舞いなど、自分で整えられる部分に目を向けることも、ビジネスにおける自己管理のひとつといえそうだ。
【調査概要】
調査名:「男性ビジネスパーソンの印象管理」に関する意識調査
調査対象:全国20~59歳の有職男性550人
調査方法:インターネット調査
調査時期:2026年9月
調査主体:アンファー株式会社 DISM
※構成比は小数点第2位を四捨五入しているため、合計が100%にならない場合がある。


