受託製造の巨額赤字と、先端技術を量産する難しさ
インテルの受託製造事業は依然として赤字が大きい。2026年第2四半期の営業損失は21億ドル(約3339億円)に達した。売上高を顧客別に見ると、インテル社内向けが55億ドル(約8745億円)なのに対し、外部顧客向けは約2億9300万ドル(約466億円)しかない。事業を再建するには、高単価の製品を大量に発注し、継続的な売上高をもたらす外部顧客が必要だ。
18Aの歩留まりが改善、14Aは本格量産まで時間がかかる
半導体製造の事業化を左右するのは、先端製造技術の開発計画を実際に実行できるかどうかだ。18Aと14Aの技術を外部顧客の製品に使い、大量生産へ移行できなければ収益は増えない。韓国の証券会社GF Securitiesのアナリスト、ジェフ・プー(Jeff Pu)によると、18Aの歩留まりは2026年第2四半期の65%から約80%へ改善したという。歩留まりは、製造した半導体のうち良品として使える割合を指す。
18Aの改善幅は大きいが、TSMCの「N2」と呼ばれる2ナノメートル製造技術の歩留まり90%には届かない。さらに重要なのが14Aだ。Terafabへの参加は大型案件の獲得につながる可能性があるものの、14Aの本格量産はまだ先になる。プーは14Aの月間生産量について、2027年末にウエハー約6000枚、2028年には約2万4000枚になると見積もる。
先端製造技術としては初期の生産量が小さく、顧客の獲得と量産体制の整備には課題が残る。ただし、製造中に生じる不良の程度を示す欠陥密度が下がっており、14Aの実用化に対するインテルの自信は高まっている。
TSMCの受託製造市場シェアは2026年第2四半期に72.5%
2026年第2四半期、受託製造を専業とする企業の世界市場で、TSMCのシェアは過去最高の72.5%に達している。TSMCは、インテルが顧客として獲得したいアップル、エヌビディア、AMD、ブロードコムなど、ほぼすべての大手企業の先端半導体を製造している。外部顧客からの売上高がまだ小さいインテルと、膨大な生産能力を高い稼働率で活用するTSMCでは、事業規模に大きな差がある。
Arm系CPUへの移行が、インテルの従来事業を脅かす
インテルが主力としてきたx86方式のCPUも、長期的な構造変化に直面している。データセンターでは、消費電力と保有・運用にかかる総費用を抑えるため、従来のx86からArm方式のCPUへ切り替える動きが進む。Arm方式とx86方式では、CPUの設計や命令の処理方法が異なる。
調査会社IDCによると、2026年第1四半期にArm系CPUを使うAI処理用アクセラレーター搭載サーバーへの支出は530億ドル(約8兆4270億円)だった。x86系CPUを使う同種のサーバーへの支出346億ドル(約5兆5014億円)を上回った。
エヌビディアも、自社の収益性が高いGPUと、Arm方式のCPU「Grace」や次期製品「Vera」を組み合わせる戦略を進めている。既存システムの処理需要が当面はx86方式のCPUを支えるとしても、長期的な成長を保証するものではない。


