無料版から自社運用まで、開発者向けモデルが多様化
InceptionのMercury Decideは、選択肢からの回答、点数評価、はい・いいえの判断を決まった形式で返す。OpenRouterには利用回数に制限がある無料版があり、1秒間に最大14件の判断を処理できると案内されている。APIの利用料金を負担せず、意思決定機能を組み込んだアプリケーションを試せる。
UpstageのSolar DecideとSolar Decide Flashは、情報の分類、点数評価、処理の振り分けに対応する。Flash版は応答までの待ち時間を短くする設計で、最大51万2000トークン分の情報を1回の処理で参照できる。長い文書や大量のシステム情報を基に判断する用途に向く可能性がある。
Tev1、Kev、Layaは開発者による自社運用を想定
Together AIが提供するTev1-4B-Experimentalは、Qwen3.5-4Bを基盤として、決められた候補から回答を選ぶ。ホスト型APIの料金は入力100万トークン当たり0.042ドルだ。モデルの重みと学習方法も公開されているが、商用利用する際は重みのライセンス条件を確認する必要がある。
開発者のジャレッド・パーマーが公開したKevは、Qwen系を基盤とするオープンソースの意思決定モデル群だ。Apache 2.0ライセンスで提供され、規模は8億~270億パラメーターに及ぶ。40億パラメーター版は対応する機器で動かせる。Jevの「System One API」の仕様を実装しており、自社運用や独自の追加学習を望む開発者にとって選択肢になる。
Convai InnovationsのLayaは、文章を生成する従来型LLMとは異なる仕組みを採用する。入力情報を読み取って分類や採点に使う、軽量な「エンコーダー」と呼ばれる構造だ。英語版は4億2100万パラメーター、多言語版は3億2200万パラメーターで、迅速な振り分け、点数評価、分類を狙う。重みが公開され、自社の機器で動かせる。対応言語も100を超える。
Drexは業務上の判断、Spanは監視と追加の推論に対応
Nace.AIのDrexは、回答形式が決まった複数の質問を1回の計算処理でまとめて評価し、文章の代わりに確率を返す。企業向けに、書類の分類、法令順守の審査、業務上の判断の自動化を想定している。2026年10月12日には、350億パラメーターの新モデルDrex 2.0も登場した。質問を処理するときに約30億パラメーターが働く設計で、最大13万1072トークンを扱える。OpenRouterでの料金は入力100万トークン当たり0.06ドルだ。
RespanのSpan-01は、AIエージェントの行動や利用者とのやり取りを評価する。危険な行動、利用者の不満、担当者による対応へ切り替える必要がある場面などを検知する。商用のSpan-01に加えて無料のSpan-01 Liteも提供し、AIシステムの監視や安全対策に使える。
Respanは2026年10月15日、新たな意思決定モデルのSpan-02を発表した。画像にも対応し、二択、候補選択、採点だけでなく数値の回答も返す。処理に費やす時間の上限を指定し、許された時間内で判断内容を改善する機能を持つ。オープンウェイトとして公開され、同社のAPIでも入力100万トークン当たり0.01ドルで使える。
StrandsやSemIfなど公開プロジェクトも相次ぐ
Strands Deciderは、AIエージェントの開発に使うStrands Agentsと関連した実験的なオープンソースプロジェクトだ。Qwen系のモデルを基盤に、判断結果と確信度を決まった形式で返す。Apache 2.0ライセンスで公開され、商用事業者が運用するAPIに頼らず、自社の機器へ導入できる。アマゾンのクラウドサービス「Amazon Bedrock」にも、運用管理をサービス側に任せられる意思決定モデルのサービスがある。
公開開発が進む別の例として、Qwen3.5-4Bなどのモデルから選択肢ごとの確率を取り出すSemIf(旧OpenJev)がある。GemmaやMiniCPMなど、一般公開されたモデルの重みを利用する実装も登場している。
GitHubにまとめられたJevの代替モデル一覧には、Verdict、Von、複数のOpenJev実装が掲載されている。小規模な専用分類モデルから、汎用モデルを意思決定用に変える追加プログラムまで、方式はさまざまだ。


