商用APIの競争軸は処理速度・料金・入力データの種類
OpenAIは2026年10月6日、GPT-6 Lunaを使うDecisions APIのベータ版を発表した。文章や画像を入力すると、条件が成り立つか、どの選択肢が適切か、何点と評価するかを返す。通常の文章生成に使うResponses APIでGPT-6 Lunaを動かす場合と比べ、応答速度は最大10倍だとOpenAIは説明する。
Decisions APIの料金は入力100万トークン当たり0.10ドルで、出力トークンへの課金はない。Jevより入力単価は高いが、既にOpenAIの開発者向けサービスを使っている企業は、同じ提供元の仕組みに判断機能を組み込める。
マイクロソフトは2026年10月9日、Microsoft-Decision-1を公開した。モデルの開発や利用に使うMicrosoft FoundryとOpenRouterを通じて提供する。Qwen3.5-9Bというモデルに追加の学習を施し、指定された選択肢ごとに確率を推定する仕組みだ。情報の分類、AIエージェントへの作業の振り分け、検証、業務手順の制御に使える。
マイクロソフトによると、36種類の評価方法を使った約15万問の社内試験で、Microsoft-Decision-1は最も高い精度を記録した。また、GPT-6 Solと比べて35倍速かったとしている。料金は入力100万トークン当たり0.042ドルで、Jevの公表価格と同じだ。
クラウドフレアは音声と動画にも判断対象を広げる
クラウドフレアは2026年10月1日、オープンウェイト型のClefとClef Flashを発表した。同社のAI実行サービス「Workers AI」から利用できる。Clef Flashは処理速度と低価格を重視したモデルで、ネットワークの末端(エッジ)で処理の振り分けや情報の分類を行う用途に適している。
同社は2026年10月9日、Clef-omniも発表した。文章と画像だけでなく、音声や動画も判断材料にできる。複数形式のデータを分析して対応を決めるアプリケーションで、不適切なコンテンツの判定や分類などに使える可能性がある。
クラウドフレアは同じ10月9日、Clef Flashの料金を入力100万トークン当たり0.09ドルから0.038ドルへ引き下げた。ただし、クラウド版が1回に扱える文章の長さは最大6万4000トークンから2万4000トークンへ短縮された。Clefは入力100万トークン当たり0.24ドル、Clef-omniは0.15ドルで提供する。
パープレキシティとLiquid AIは公開モデルと有料APIの両方を提供
パープレキシティが2026年10月に公開したPplx-Decider V1.1 27Bは、学習済みの重みがApache 2.0ライセンスで公開されている。クラウド上で利用できるAPIも、入力100万トークン当たり0.02ドルで提供する。Qwen3.8-27Bを基盤にした約270億パラメーターのモデルで、文章や画像など複数形式の入力を扱い、決まった形式で判断結果を返す。
パープレキシティは2026年10月6日の発表で、重みの公開と料金引き下げを強調した。10月9日の更新では、性能評価「Decision Bench」の正解率が94.5%、1000件の判断にかかる費用が0.017ドルだったと報告している。企業は自社の機器代を負担して運用する方法と、API料金を払って外部サービスを利用する方法を選択できる。
さらに同社は2026年10月16日、Decider V1.2と小型のDecider Flash V1.2を投入した。V1.2は約270億パラメーターで、複数の質問をまとめて処理する方式を採用する。入力100万トークン当たり0.02ドルだ。Flash V1.2は約40億パラメーターで、入力単価を0.01ドルに抑えた。両モデルとも文章と画像を扱い、OpenRouterから利用できる。
Liquid AIのd1は、文章と画像に基づく判断を高速で返すモデルだ。ホスト型APIの料金は、同社の最新料金表で入力100万トークン当たり0.02ドルとなっている。10月5日の発表時に示された0.04ドルから半額になった。同社は2026年10月7日、端末側の機器を含めて自社環境で動かすためのオープンウェイト型モデルd1-3Bとd1-omni-600Mも公開した。
Liquid AIは2026年10月15日、上位モデルのd1-ultraを発売した。文章と画像を使った複雑な判断を対象とし、入力100万トークン当たり0.042ドルで提供する。同社は112種類の評価を通じ、判断精度と回答確率の信頼性でJev 1.14を上回ったと説明している。


