ビザとマスターカード、ステーブルコイン「OUSD」運営会社に出資──カード決済の収入減に備える戦略とは

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OUSDの収益分配と発行会社の免許を左右する米国の規制

OUSDの事業モデルには、規制上の不確実性がある。米国の決済用ステーブルコイン規制法案「GENIUS法案」は、ステーブルコインを保有したり、利用したり、保有し続けたりすることだけを理由に、発行会社が保有者に利息・利回りを支払うことを禁止する。米連邦準備制度理事会(FRB)が2026年9月24日に公表した規則案は、規制対象の発行者が第三者を介して保有者へ報酬を支払う一定の仕組みも、原則として禁止対象とみなす内容だ。米通貨監督庁(OCC)が先に示した提案とも方向性が一致する。

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OUSDの残高に応じた報酬は流通手数料か、禁止される利回りか

OUSDの仕組みでは、準備資産から得た収益が参加企業に分配される。ストライプは、同社のサービス上で保有するOUSDの残高も含め、取引や利用実績に応じてパートナー企業が報酬を得られるとしている。オープン・スタンダードは、報酬はコインを広めた企業に対する対価であり、サークルがコインベースに支払う流通費用と同じ性質だと主張する。

問題は、保有残高に一部連動する報酬を、正当な流通手数料と認めるのか、形を変えた利息・利回りとみなすのかだ。最終的には規制当局の判断に左右される。FRB案の意見募集は2026年11月30日までだ。GENIUS法の施行日は、2027年1月18日、または実施規則の最終決定から120日後の、いずれか早い日となる。

OUSDには発行会社の免許という問題も残る。ブリッジ・ナショナル・トラスト・バンクはOCCから条件付き認可を得たものの、まだ営業を開始していない。このため、OUSDの発行を担うのはストライプ子会社のブリッジ・ビルディングだ。銀行が開業するまで、決済業界の大手5社が支援するOUSDは、米連邦政府の銀行免許を持たない企業によって発行される。

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OUSD出資の成否を測る3指標は供給量、決済経路、サークル決算

確認すべき指標は3つある。第1はOUSDの流通供給量だ。オープン・スタンダードは、4つのブロックチェーンにOUSDをどれだけ配分するかをまだ明らかにしていない。流通供給量が初めて公表されれば、10億ドル(約1580億円)超の流動性供給の約束が、企業による実際の保有につながっているかを見極められる。それまでは、資金供給の約束と実際に流通するOUSDの額を区別する必要がある。

ビザとマスターカードが決済に採用するか、USDCとの収益配分が変わるか

第2の指標は、決済時に選ばれるステーブルコインだ。ビザとマスターカードが、自社のステーブルコイン連携カードプログラムの決済でUSDCよりOUSDを目に見える規模で使い始めれば、単なるリスク対策だった出資が、OUSDを優先する事業上の判断に変わったことになる。主にUSDCを使い続けるなら、OUSDの持ち分は将来に備えて保有しているだけだ。

第3は、2026年11月初めに発表されるサークルの第3四半期決算である。流通・取引費用を確認すれば、競合するOUSDの運営会社にも出資したコインベースが、従来と同じ条件でUSDCの成長を支えているかを判断できる。

ビザとマスターカードは、ステーブルコインにクロスボーダー決済の取引量を奪われる場合に備え、最も安価な保険を手に入れた。OUSDの準備資産収益から利益を得る権利と、運営ルールに関与する立場である。ステーブルコイン市場の約84%をUSDTとUSDCが占め、決済量がどの通貨へ移るかも分からない段階での投資である。保険は、安いうちに買う価値がある。ただし、何が規制上の利回りに当たるかというFRBの判断が出て初めて、その保険の適正価格も明らかになる。

(forbes.com 原文)

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