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2026.10.19 10:30

メタとアマゾンの人員削減、値上がりした株式報酬が失効すると誰が得する

Koshiro K - stock.adobe.com

メタとアマゾンでは、株安期と株高期で回収できる値上がり益が大きく違った

株式報酬の回収効果を測る上で重要なのは、失効したRSUの時価が付与時の評価額をどれだけ上回るかだ。言い換えれば、従業員が受け取るはずだった株価上昇分の価値である。メタの2025年の差額は47億ドル(約7426億円)に達し、新型コロナウイルスの流行後では両社を通じて最大となった。

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相場が下落した2022年には、メタとアマゾンの両社で失効分の時価が付与時評価額を下回った。2023年もアマゾンでは同じ状態が続いたが、メタでは株価が付与時評価額を上回った。両社は2022~2023年に大規模な人員削減を行った。2024~2025年は退職者数が比較的少なかったが、RSUが1ユニット失効することで会社に残る株価上昇分が大きくなった。

従業員へ株式を渡さずに済むだけではない、企業が得る3つの利益

値上がりしたRSUを失効させることには、企業にとって3つの利点がある。第1に、権利が確定しなかった分の株式を従業員に交付せずに済む。株式交付に伴う自社株買いも必要なくなり、新株発行によって既存株主の持ち分比率が低下する「株式の希薄化」も避けられる。

メタは従業員に交付する株式の時価とほぼ同額の現金を、自社株買いや株式報酬に伴う源泉徴収税の支払いに投じている。そのため、RSUが失効すれば、会社が支出する現金を現在の株価に応じて減らせる。アマゾンは2022年以降、自社株買いを実施していない。アマゾンの場合、RSUの失効による主な恩恵は、既存株主の持ち分が薄まるのを防げることだ。

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会計費用を取り消す企業、株価上昇分を失う従業員

第2の利点は会計上の費用が減ることだ。メタはRSUが失効した時点で会計処理を行い、解雇された従業員の権利未確定RSUについて、すでに損益計算書に計上した報酬費用を取り消す。第3に、退職する従業員は、株価上昇に報いるために設定された株式報酬を失う。メタの10-Kによれば、解雇された米国の従業員については、給与支払対象として在籍する最終日までに確定した権利しか認められない。

ただし、メタやアマゾンがRSUの付与時評価額を見て解雇対象者を選んだとまでは証明できない。従業員の業績、組織再編、AI分野への投資といった要因も関係する。それでも株式報酬を失効させる金銭的な誘因は大きく、決算の主要数値からは読み取りにくい。株価が高いほど誘因は強まり、2025年の人員削減も株高の時期に実施された。

人員削減による株式報酬の失効は、通常退職と分けて開示すべきだ

投資家と従業員が株式報酬の回収効果を判断するには、企業による3項目の追加開示が必要だ。

・人員削減によるRSUの失効を通常の退職による失効と分け、ユニット数と失効日時点の時価を示す

・失効したRSUの付与時評価額を付与年別に示し、株価が低かった時期に付与された権利が偏って失効していないか分かるようにする

・取締役会の報酬委員会は、解雇対象者を選ぶ際に株式報酬の費用を考慮したかどうかを開示する

従業員も、年次報告書のRSU注記に目を通すべきだ。付与時から株価が2倍になった従業員は、企業にとって単なる人件費の負担ではない。会社が取り戻したがっている、値上がりした株式報酬の権利を持つ存在でもある。

(forbes.com 原文)

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