AIの攻撃速度が、人間による脆弱性の修正を追い越す
OpenAIの環境を抜け出したAIエージェント群によるハギングフェイスへの侵入は、複数の攻撃手法を連鎖させ、他社のシステムへ侵入する速さを示した。機械の速度で動くAIエージェントは、防御担当者が対策を施すより早く脆弱性を特定し、悪用できる。
攻撃の高速化は、AIが利用できる攻撃経路の増加にもつながっている。コージェントが2026年10月8日に公表した調査では、米大企業のランキング「フォーチュン1000」に含まれる50社超のIT資産4300万件を分析した。人間の攻撃者が利用できる新たな攻撃経路が1本増えるのに対し、AIエージェントが利用できる経路は3本増えているという。
ソフトウェア開発の急増が生む大量の脆弱性
コージェントの共同創業者兼CEO、ヴィニート・エドゥプガンティはビデオ取材で、「AIによってソフトウェア開発が爆発的に増え、それに伴って膨大な脆弱性が生まれた」と語った。「攻撃者は誰でも大規模言語モデル(LLM)に指示を与え、以前よりはるかに速く脆弱性を悪用できる。攻撃側と防御側の能力差は広がり、脆弱性の悪用はセキュリティ侵害の最大の原因になっている」と指摘した。
セキュリティ担当者に足りない反応時間
エドゥプガンティは、AIエージェント群が攻撃の標準的な手段になると予想する。「攻撃者が優位に立っているのに、防御側の大半のセキュリティチームは攻撃の速さについていけていない」と語った。コージェントを立ち上げたのは、AIエージェントで攻撃経路を機械の速度で発見し、修正するためだという。「企業が身にまとう映画『アイアンマン』のスーツのようなものだ」と例えた。
ベイン・キャピタルのパートナーで、セキュリティ企業シマンテックの元CEOでもあるエンリケ・セーラムも、防御側の時間不足を問題視する。「あらゆるものが高速化している。AIモデルの能力が高まり、脆弱性を悪用する速度が上がったことで、防御担当者が反応する時間は足りなくなっている」とビデオ取材で語った。


