では、何が希少なままなのか。判断力、信頼、創造性、好奇心、共感、真正性、コミュニケーション、関係性、リーダーシップ、意味などが挙げられる。AIはこれらの資質を損なわず、むしろ相対的な価値を高める。筆者はこれを「グレート・ヒューマン・プレミアム(The Great Human Premium)」と呼んでいる。AIによって知識やコンテンツが豊富になり、スピードや効率が高まるほど、人間ならではの能力はより価値を増すという考え方である。
AIは、あなたのキャリアをより人間的にする可能性がある
何十年もの間、テクノロジーは主に生産性向上を約束してきた。もっと多く、もっと速く、もっと安く。AIは、私たちに別の問いを投げかける機会を与えている。機械がより多くのことをできるようになったいま、人間は何に時間を使うべきなのか。
その答えは、必ずしも仕事量を増やすことではない。より創造的な仕事かもしれない。より戦略的な思考かもしれない。より多くの対話、メンタリング、関係性、学習、意味かもしれない。そしておそらく、より多くの喜びでさえある。その結果は保証されていない。
メリオリズム(改善論)とは、人間の努力によって世界はより良くできるという信念であり、その考えはAI時代において特に重要に感じられる。組織は確かに、AIをコスト削減と、より少ない人数で生産性を高めるためだけに使うこともできる。あるいは、仕事をより人間的にするために使うこともできる。それは選択であって、必然ではない。
AIはキャリアの問いを変えた
「AIは私のキャリアから何を奪うのか」と問うことに、すべてのエネルギーを費やすべきではない。「AIは私のキャリアに何を取り戻してくれるのか」と問い始めるべきだ。それは時間なのか、能力なのか、アクセスなのか、学習なのか、機会なのか。あるいは、人間が独自に得意とすることに働く人生のより多くを費やす機会なのかもしれない。
AIをめぐる朗報は、機械がより有能になっていることではない。人間ならではの価値を形づくるものが、より明確になりつつあることなのだ。
編集部注:筆者のウィリアム・アルーダ(William Arruda)は、パーソナルブランディングの第一人者であり、著述家・基調講演者として活動している。


