AI

2026.10.17 18:00

スマホ、SNS、AIで「脳に化学的変化」が発生 危機的状況にある注意力を取り戻す方法

stock.adobe.com

認知的主権を取り戻すためのステップ

テクノロジーを元の状態に戻すことはできず、またそうすべきでもない。だが、サイバーセキュリティと同じように、私たちはレジリエンスを設計しなければならない。

advertisement

1. 透明性の確保

私が「認知SBOM」と呼ぶもの、つまりレコメンデーションアルゴリズムがもたらす神経化学物質の変調についての透明性が必要だ。その第一歩となるのが欧州連合(EU)のデジタルサービス法だ。変動報酬最適化戦略をとっているプラットフォームは、その実践手法を公に開示すべきだ。

2. レジリエンスのための時の確保

• ゼロトラストの通知のデフォルト設定は「オン」ではなく「オフ」とする。

• 時間を区切ったドーパミン断ち:90分間デバイスを使わずに作業に深く集中する時間を設け、ドーパミンのベースラインをリセットする。

advertisement

• アナログ・アンカー:紙の本を読む、手書きでメモを取る、スマホを持たずに散歩するといった定期的な活動は、神経伝達物質によって維持されている緊張を和らげるのに役立つ。

3. 人間中心のAI設計

単なるエンゲージメントではなく、人間の成長を最大化するシステムを求めなければならない。AIアシスタントはユーザーの注意力を悪用するのではなく保護し、スクロールをやめられるよう手助けをし、背景のノイズの中から重要なシグナルを引き出すべきだ。

AIの最大の危険はAIが賢くなりすぎることではなく、私たちがあまりにも多くのことに気を取られてAIを賢明に使えなくなることだ。人間の集中力は単なる生産性の指標ではない。人間関係や批判的思考、民主的な議論、イノベーションの基盤となる。それは私たちが最も価値を置く天然のリソースだ。

AIやSNS、スマホは、私たちの体内の化学反応を利用する方法を見つけ出した。今度は私たちが、それを安全に保つ方法を学ばなければならない。

(forbes.com 原文)

翻訳=溝口慈子

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事