AIを毎日使う人は、雇用の安定性についてもより大きな自信を示している。また、PwCの「2026 AI Jobs Barometer(2026年版 AI仕事分析レポート)」によれば、AIスキルを必要とする仕事には平均62%の賃金の上乗せがある。だが、AIに精通することは、機械が生み出すものを何でも盲目的に受け入れることを意味しない。PwCは、AIの経験豊富なユーザーほど正確性や品質の問題に敏感である、と指摘している。重要なのは、AIが仕事を加速させる場面と、人間の判断が引き継ぐべき場面を見極める力だ。キャリア上の優位性はそこにある。AIは思考の代替ではなく、「てこ」として使うべきである。
2. スキルのポートフォリオで知られる存在になる
かつてのキャリアモデルは、1つのことに秀でることを奨励してきた。だが、もはやそれだけでは不十分である。筆者は「スキルの見極め(Skillspotting)」に関する記事で、企業がいま、学位や肩書、直線的な経験だけでなく、転用可能な能力の「ポートフォリオ」によって従業員を見極めるようになっている、と述べた。たとえばプロジェクトマネジャーは、交渉、リスク分析、部門横断的な協働、予算管理、対立解決、AIといった複数の強みを同時に持ち得る。
肩書は、あなたが何をするために雇われたのかを組織に伝える。スキルのポートフォリオは、あなたがほかに何になれるのかを伝える。自分の主要な専門性を何倍にも高め得る能力はどの2つ、あるいは3つかを自問してみるとよい。極めて高いコミュニケーション力を持つ会計担当者かもしれない。分析を理解するマーケターかもしれない。複雑な考えを顧客にわかりやすく伝えられる技術者かもしれない。最速で前進する人は、1つの領域に閉じ込められるのではなく、複数の分野を結びつける。
3. 自分のインパクトを見える化する
誰にも知られていない優れた仕事は、誰からも報われない優れた仕事のままになり得る。これは自慢せよという意味ではない。自分の成果をほかの人が理解できる結果に結びつける、ということだ。プロセスを改善したなら、何が変わったのかを数値化する。AIによってチームの時間を節約したなら、その時間がどのように再配分されたのかを示す。顧客維持に貢献したなら、それを伝える。問題を未然に防いだなら、回避したリスクを見える形にする。


