PSIの研究チームは、2017年~2023年に観測された10回の星食を分析した。その結果、冥王星大気の上層部はほとんど変化がないままだった一方、より下層部では靄粒子が表面に向かって沈降することで引き起こされる可能性のある変化が検出されたことが明らかになった。
論文の筆頭執筆者で、PSIのシニアサイエンティストのアマンダ・シカフースは「星の光の減光と再出現を観測するという簡単な手法により、月の約3分の2の大きさで、地球から太陽までの距離の30倍以上も離れた天体の希薄な(地球の数百万分の1ほどの)大気を調べることがどのようにして可能になるかには、いつも驚嘆させられる」と指摘している。
冥王星の大気は崩壊するか?
一部の過去研究のモデルでは、窒素などの気体が凝結して表面に降り積もるのに伴い、冥王星の大気が最終的に崩壊する可能性があると予測されていた。だが、これは必ずしも大気が完全に消失することを意味するわけではない。冥王星の広大なスプートニク平原(かつては地下海が存在すると考えられていた)に大量の窒素の氷がある上に、表面下に熱を保持できるため、公転軌道の全域で大気を維持できる可能性があることが、最近のモデルで示唆されている。
そのため、最近の気圧低下については依然として裏付けが必要だと、研究チームは注意を促している。シカフースは「現在、冥王星にとって特に興味深い時点を迎えている」として「最近になって大気圧が低下し始めたことを、今回の研究は示唆している」とコメントした。


