ネブラスカ、アイオワ、ミネソタのトウモロコシ畑は、100万平方フィート規模のデータセンター建設地として理想的に見えるかもしれない。しかし、実際にはそうとは限らない。技術革新のスピードと電力・水資源の制約を踏まえると、グリーンフィールド(未開発地)での巨大施設建設は、コンピューティング能力を増強する手段としては、むしろリスクが高く、時間とコストもかかる方法になりがちだ。開発事業者は、オフィスや工業用建物、さらには時代遅れとなったデータセンターなど、インフラがすでに整備されている既存の建物に目を向け、再利用を検討すべきだと私は考える。
「リサイクル・再利用」はプラスチックに限った話ではない
優れた都市は絶えず自らを再発明している。空きオフィスビルをどう再利用するかについては多くが語られてきたが、工業用やその他の大規模建物にも同様の機会がある。そしてデータセンターは、こうした建物に新しい命を吹き込む有力な候補なのだ。
カンザスシティでは、カンザスシティ・スター紙の印刷工場が2021年に閉鎖され、業務はデモインへと移転した。2024年、Patmosはその建物を取得し、コミュニティワークスペースを併設したコロケーション型データセンターへの転用を開始した。2006年の建設当時、この工場は最先端とされていた。そして20年を経て、再び最先端の存在となっている。
グリーンフィールドにおけるハイパースケールデータセンターの建設が妥当なケースもあるが、適応型再利用(アダプティブ・リユース)が例外ではなく標準であるべきだ。現状では、それは後回しにされている。
これは、すべてのデータセンター投資を審査する際に用いるべき視点である。私の会社でC-PACEローンの長期リスクを評価するときは、建物の2番目、3番目の用途まで検討する。融資の完済まで最長30年かかることもあるからだ。トウモロコシ畑の真ん中にある100万平方フィートの建物は、オーナーがローン返済を続ける必要が生じたとしても、別のテナントで埋めることはほぼ不可能だ。
ダラスでは、1980年代に建設されたあるデータセンターが時代遅れとなり、倉庫へと転用された。その後、テナントが退去したため、所有者はDFW空港に近い立地と充実した電力・データインフラを活かし、再びコロケーション型データセンターへと転用した。この事例は、インフラのない原野にコンクリートを流し込むのではなく、どのようにデータセンター容量を構築すべきかを示している。
電力と水がなければデータセンターは稼働できない
全米の市や郡では、電気料金、水供給、土地利用、その他の地域社会が負担するコストへの影響に対する懸念が高まるなか、新規のデータセンター計画を減速または阻止する動きが広がっている。その摩擦はすでにデータにも表れている。筆者の試算によると、Data Center Trackerの情報では、追跡対象となっている約1400の計画のうち32%が承認されているものの、提案されているプロジェクトの22%が現在、遅延に直面している。
これらの一部の大規模データセンターが立ち上がるスピードの速さを考慮し、反対派は農地の喪失を挙げ、農業コミュニティが営農のために依存している土地、エネルギー、水資源への潜在的な影響を疑問視している。
大規模なデータセンターは、1日あたり最大500万ガロンの水を消費することがある。これは人口1万人から5万人の町に匹敵する量だ。AIやクラウド・コンピューティング・ツールの強い需要に後押しされ、エネルギー使用量は2028年までに3倍に増加すると予想されており、予測される演算需要に対応するには6.7兆ドル(約1060兆円)の投資が必要になる。
超党派政策センター(Bipartisan Policy Center)は、データセンターへの反対運動について調査し、今後のデータセンター計画における反対を最小限に抑えるための提言を行っている。そこでは、水や電力の使用に関する透明性の向上や、既存物件の活用拡大が提案されており、これはまず既存の建物に注目すべきだという私の主張を裏付けるものだ。
既存の建物内に構築されるデータセンターも水と電力を必要とするが、その建物の本来の用途を支えていた既存のインフラを利用することで、より迅速かつ効率的に稼働させることができる。当社がダラスで融資したプロジェクトは、40年前の送電網と水道インフラで稼働している。
こうした議論では、データセンターのハードウェアがこのサイズにとどまり続けないという事実が考慮されていない。最初の携帯電話やノートパソコンがいかにかさばり、バッテリー容量が少なかったかは、誰もが覚えているだろう。データセンター内部のコンポーネントが縮小し続けるなか、それらを収容するために必要なフットプリント(設置面積)がどう変化するかを考慮する必要がある。そして、貸し手や開発者にとって、今日のラックサイズに30年を賭けることが正しい前提と言えるのだろうか。
コンピューティング需要とともに環境も考慮する
私は環境保護に関心がある。だからこそ、商業ビルの省エネやレジリエンス向上のための改修に融資する会社を立ち上げた。しかし、既存資産の転用は単なる環境論にとどまらず、資金配分の議論でもある。適応型再利用により、電力や水のインフラがすでに構築され、許認可も取得済みであるため、多くの場合、プロジェクトをより迅速に、低コストで、規制上の摩擦も少なく稼働させることができる。
ほとんどの都市の成長は、新規建設と、既存の建物の適応型再利用の双方に依存している。これまでハイパースケーラーは多くの都市の郊外にある空き地を好んできたが、全米で開発の一時停止(モラトリアム)や規制が強化され、AIコンピューティングにとって成長が極めて重要であり続けるなか、利用率の低い既存の建物や土地の検討を迫られることになる。また、データセンターは重要なインフラであり、単に自治体の承認が得られる場所に設置するのではなく、最適な立地について慎重に検討すべきだという主張もなされている。
これは開発に反対する立場ではない。すでにインフラとイグジット戦略が存在する場所に建設すべきだという主張である。
当組織がC-PACEローンを審査する際、30年先を見据え、データセンター事業が変化した場合にその建物が他に何に生まれ変われるかを自問する。窓もなく、搬入口もなく、100万平方フィートのスペースを埋めるテナント基盤もないトウモロコシ畑の真ん中では、その答えは往々にして「何もない」となる。これは単なる環境リスクやゾーニング(用途地域)をめぐる争いではない。業界が次の世代の座礁資産を築く前に、今まさに価格に織り込むべき信用リスクなのだ。
本記事で提供される情報は、投資、税務、または財務に関するアドバイスではない。個別の状況に関するアドバイスについては、資格を持つ専門家に相談されたい。



