経済

2026.10.19 08:15

利益は3倍なのに「売上は横ばい」…日本企業の意外な数字

Getty Images

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独立系運用会社として日本で初めて株式上場を果たしたスパークス・グループが、創業以来35年以上にわたって培ってきた日本経済・株式市場の見方を、同社チーフエコノミストの清水孝章が発信する連載、第3回。過去30年以上、日本企業の経常利益は3倍に拡大した一方で、売上高はほぼ横ばいだった。なぜ日本企業は「売上を伸ばせなかった」のか。デフレが歪めた企業行動と、いま始まりつつある転換を読み解きます。

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売上を追わなかったのには理由がある

第2回で述べた通り、日本のデフレはグローバルな供給構造の変化によってもたらされた。その影響が色濃く表れたのが、企業の行動である。

結論から言えば、日本企業は利益を伸ばす一方で、売上を伸ばせない状態が長く続いた。

1990~2025年のデータを見ると、日本企業の経常利益は約3倍に拡大している。一方、売上高は2022年頃までほぼ横ばいで推移した(図表1)。この現象は「経済は成長するもの」という概念に反するが、デフレ経済では合理的に説明がつく。価格が下がり続ける環境では、売上の拡大は難しく、企業は利益を確保するためにコスト削減に依存せざるを得ない。

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作成=スパークス
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具体的には、人件費や研究開発費、設備投資の抑制である(図表2)。これらは短期的な収益改善には寄与する一方、長期的な成長力を弱める要因にもなった。日本企業はこの戦略を30年近く継続してきた。デフレ下ではそれが合理的だったからである。

作成=スパークス
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ここで押さえておきたいのは、「売上が伸びなかったから成長できなかった」のではなく、「売上が伸びる環境ではなかった」という点である。価格が下がる前提では、新規投資のリターンは低く見積もられ、企業は守りの経営を選択する。トップラインは拡大せず、経済全体の成長も抑制される。

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文=清水孝章

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