OUSDを既存の決済・取引サービスへ組み込む
OUSDの発行主体は、Stripe傘下のBridgeである。Bridgeはステーブルコイン向けの基盤を提供する企業だ。OUSDの価値を裏付ける準備資産はブラックロック、Lead Bank、BNYが保管する。Bridgeは準備資産の保有状況を示す証明を毎月公表するとしている。
注:Bridgeは2024年にStripeが11億ドル(約1738億円)で買収した。
OUSDはBase、Ethereum、Solana、Tempoの4つのブロックチェーンに対応している。提供開始時からCoinbase、Kraken、Uniswapで取引できる。
企業は9月30日から、Mastercard傘下のBVNKやStripeを通じ、1ドル(約158円)と1 OUSDの比率で、ドルをOUSDに替えたり、OUSDをドルに戻したりできる。この発行・償還に手数料はかからない。金融機関やフィンテック企業がステーブルコインを発行・償還・管理するためのVisaの企業向け基盤「Visa Stablecoin Platform」でも利用できる。Coinbase経由では10月1日から利用できる。Open Standardは発行・償還では料金を取らず、少額の取引手数料を収益源とする。
Stripeでは保有からカード決済・海外送金まで利用できる
Stripeを利用する企業は、Stripe TreasuryでOUSDを保有できる。Stripe Issuingを通じて発行するステーブルコイン対応カードで支払うこともでき、100カ国超の暗号資産ウォレットへの送金にも対応する。
Stripeのプロダクトおよびビジネス担当プレジデント、ウィル・ゲイブリックは、OUSDがStripeを利用する企業向けの標準ステーブルコインになると述べた。ただし、Visa、Mastercard、CoinbaseはOUSDだけに一本化するわけではない。3社はUSDCを含む複数のステーブルコインを今後も支援すると表明している。
報酬と持ち分をパートナーに配り、OUSDを広める動機をつくる
従来型のステーブルコインでは、発行者が準備資産の運用収益を中心に利益の大半を得て、流通を担う企業が取り分を交渉する。Open Standardは、この利益配分を大きく変えた。
Open Standardの発表では、各パートナーが自社サービスを通じて増やしたOUSDの供給量や利用実績に応じて報酬を受け取る。さらに、Open Standardの持ち分も獲得できる。最高経営責任者(CEO)のザック・エイブラムスは、OUSDの成長への貢献度に応じて、Open Standardの持ち分の「圧倒的多数」をパートナーへ段階的に配分すると語った。
アフィリエイト制度、共同広告費、販売網向け奨励金の仕組みを知る人には、OUSDの設計は理解しやすい。OUSDは金融商品であると同時に、パートナー企業自身が普及に動くよう設計されたプログラムでもある。企業向け製品では、導入されても利用が広がらずに止まることが多い。OUSDは導入量と利用実績に報酬を結びつけ、まさにその段階へ働きかける。
VisaとMastercardにも、流通企業へ持ち分を与えた前例がある
OUSDを支援する企業自身の歴史にも前例がある。Visaは加盟銀行が所有する協会として始まり、2008年のIPO(新規株式公開)までその形態を維持した。Mastercardも同様の経緯をたどり、2006年に上場した。
両ネットワークでは、サービスを広める金融機関自身がネットワークの持ち分を保有していた。OUSDでも、パートナー企業はOUSDの普及に貢献するほど報酬やOpen Standardの持ち分を得られる。


