戦略的に選んだ「ゴルフ」
では、ゴルフを例に説明していきます。ゴルフは私の趣味の一つですが、ただ付き合いだからなどといった理由で始めたものではありません。前回お話しした、「社会寿命」を伸ばすことを目指した、戦略的な意思決定でした。
【社会寿命】
社会に対して何らかの貢献ができている状態の長さ。家族との関係、友人との信頼関係、コミュニティへの関与がここに含まれる。
ゴルフは、他のスポーツと比べて、一緒にプレーする時間が長い。18ホールを4〜5時間かけて回ります。だから、ビジネスの話だけではなく、人としての深い会話が自然に生まれるし、取引先や信頼できるパートナーとの深い人間関係は、ラウンドの時間の中から育まれることが多くあります。話した内容だけでなく、私のコースでの立ち振る舞いやプレッシャーとの向き合い方を、一緒に回っている人は見ていて、それがそのまま恵島良太郎の人格評価につながります。
例えばランニングだと、息切れしてしまって走りながらじっくり会話することは難しいですし、どういう人間性なのかを測るのは簡単ではありません。これがゴルフなら、お互いを理解しやすいのではないか?と考えたのです。
「恵島さんとならまたゴルフをしたい」「この仕事は恵島さんとならやりたい」。そう思ってもらえるのが、人生のαです。
付き合いの一つとしか考えていなかったり、次の商談に繋げることしか考えていなかったりすれば、取引先との社会寿命は、平均(β)に止まってしまいます。
複数の寿命を同時に伸ばせるか?
実際に、ゴルフを通して、これまでとは異なったコミュニティでの関係性が築けています。
私が所属しているグループには、70歳の方が5名、60代の方が10名、50代の方が15名。幅広い年齢層のコミュニティです。私が50歳ですので、最長の方とは25歳の年齢差があります。そういった方とお付き合いしながら、私の25年後はどうあるべきなのかを、ゴルフというスポーツを通じて、友情のような関係性から学ばせていただいています。その方々から経済寿命、健康寿命、社会寿命という概念を教わったのも事実です。
ただ、ゴルフがもたらしたのはそれだけではありません。
言わずもがな、身体寿命や健康寿命を伸ばすことにもつながっていますし、ゴルフを通じた関係性から生まれた仕事によって、経済寿命を伸ばすこともできています。
【身体寿命】
生物として生きている状態の長さ。すべての寿命の土台となる固定資産。
【健康寿命】
健康な状態で生きている期間。自分が他者からどう見えているかをメタ認知する力も、この健康寿命の重要な構成要素。
【経済寿命】
生活と選択の自由を支える経済的基盤が続く期間。重要なのは「稼ぐ量」ではなく「手残りの設計」です。
忙しいなか、あれもこれも手を出すことはできません。だから、私は何かの意思決定をするとき、「これは複数の寿命を同時に伸ばせるか?」という問いをします。複数の寿命が同時に伸びると、人生の価値もぐっと高まります。


