来週にも合併完了か──遅延補償金は1日約11億円
判事の裁定が下る前の30日にCNNが報じたところによると、パラマウントのデビッド・エリソンCEOは来週にも合併手続きを完了させる見込みだという。なお、10月1日以降には、取引完了までワーナーの株主に1日あたり700万ドル(約11億2000万円)の遅延損害金を支払う義務が発生する。ただしCNNによれば、新企業の名称はそれ以前に発表される可能性が高く、30日の裁定がパラマウントのスケジュールにどのような影響を与えるかは依然として不透明だ。
反対派は米メディアの転換点との声明を発表、雇用や報道に打撃と警告
パラマウントとワーナーの合併に反対してきた映画業界の連合体であるBlock the Mergerは30日に声明を発表し、「今後数年にわたり、企業の統合という金銭的利益よりも消費者を優先できなかったこの失敗が、我が国のメディア業界の転換点となったと指摘されるようになるだろう」と述べている。同団体はさらに、「実質的な是正策を講じることなしにパラマウントとワーナーの合併を許せば、雇用が失われ、創造性が抑え込まれ、独立したジャーナリズムが弱体化し、米国憲法修正第1条の権利が損なわれる。この合併がもたらす波紋は広範囲に及び、その影響は長期にわたって継続することになるだろう」と批判した。
設立後2年間は年間少なくとも30本、その後の3年間は32本の映画制作を義務付け
合併によって誕生する新企業は、設立後2年間は年間少なくとも30本、その後の3年間は32本の映画を制作することが義務付けられる。未達の場合には1本あたり3000万ドル(約48億円)の罰金が科され、ノルマに達しなかった場合は映画スタジオのMiramaxの売却を迫られる可能性があるなどのペナルティも盛り込まれた。パラマウントは最初の2年間は自社映画の少なくとも20%を、続く3年間は30%を米国内で制作しなければならない。また、高予算の大作映画や、小規模スタジオ制作もしくはオリジナル脚本に基づく「インディペンデント映画」向けの追加ノルマも設定されている。
CNNとCBSに関しては、「独立編集委員会」が編集基準の確立を支援し、メディアの独立性をパラマウントが侵害しているとするジャーナリストたちの主張に対応する。ただし、この委員会を構成するのはパラマウントの取締役会によって任命されたジャーナリストたちだ。さらに、5年間にわたる合意条件が遵守されているかを独立監視委員会が監督することになる。


