中国勢の値上げで縮まったiPhoneとの価格差
多くの中国製最上位モデルでは、価格が200ドルを超える幅で引き上げられた。その結果、中国製スマホとiPhoneの従来の価格差は縮まった。ラムは「中国製の最上位モデルが200ドル超値上がりしたことで、消費者が基準とする価格水準が上がり、iPhoneの相対的な価値が高まった可能性がある」と説明した。メモリー価格の上昇はすべてのスマホメーカーを圧迫しているが、中国製の最上位モデルの値上げによって、iPhone Proは競合機種と比べて相対的に割安に見えるようになった。
長期契約でアップルは部品価格上昇の影響を抑える
部品価格上昇の影響を抑えながら中国でシェアを伸ばした例は、2026年初頭にもあった。最初の9週間では、中国でのiPhone販売台数が前年同期比23%増えた。これに対し、中国スマホ市場全体の販売台数は4%減った。カウンターポイントリサーチは、アップルが部品供給会社と長期契約を結んでいたため、価格上昇の影響を受けにくかったと説明した。
折りたたみ市場で最高額のiPhone Duo、数百万台販売の見通し
折りたたみスマホ市場でも、アップルは高い価格を設定している。カウンターポイントリサーチは、アップルが2026年にiPhone Duoを約600万台販売すると予測する。ただし、約600万台は予測の上限寄りであり、実際の販売台数は生産拡大の速度に左右されるとしている。
IT市場調査会社IDCは、折りたたみスマホ市場全体が2026年に12.6%拡大し、2290万台に達すると予測する。IDCは、アップルの参入によって「縮小寸前だった分野が、業界で最も成長の速い分野へ変わる」とみている。
iPhone DuoはサムスンのGalaxy Z Fold8より約100ドル高い。カウンターポイントリサーチのリサーチディレクター、タルン・パタクは、この価格設定を「初代の折りたたみ端末としては特に、かなり大胆な動きだ」と評した。
(編注:日本でのGalaxy Z Fold8の価格は、26万9880円から)
アップルは折りたたみスマホ市場に参入したばかりだが、iPhone Duoには同カテゴリーで最も高い価格を設定した。それでもカウンターポイントリサーチは、数百万台の販売を見込む。IDCの予測を基にすると、iPhone Duoがなければ2026年の折りたたみスマホ販売は減少していたことになる。アップルの販売規模とブランド力が、製品カテゴリー全体の動きを変え得ることを示している。
ProモデルとiPhone Duoが平均販売価格と売上総利益率を支える
中国での発売状況から、12月期はProモデルの比率が高まり、初の折りたたみiPhoneも販売構成に加わるとみられる。高価格モデルの比率が上がれば、平均販売価格と売上総利益率を支え、販売台数の純増だけに頼る必要も小さくなる。中国の初動データは、アップルが厳しい市場でもブランド力と規模を利益につなげ、高価格帯で優位に立っていることを示している。
中国での初期販売を軽視すべきではない。中国メーカーも高価格帯へ進出しているが、アップルが中国で高い価格を維持できるのは、憧れを生むブランド力と規模の経済に根差した持続的な競争優位を反映している。次に注目すべきデータが得られるのは、iPhone Duoが発売される10月23日だ。


