ビジネス

2026.10.14 14:15

顧客は「AIに説明聞いてから」会いに来る。AIが見ている媒体はどれだ?

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AIを情報の受け手として捉え、人との対話の前提を整える

AIへの対応は、人との直接のコミュニケーションに取って代わるものではない。重要なのは、対話が始まる前に、誤った情報や根拠の不足によって企業への理解が方向づけられないようにすることである。今回の調査では、質問する言語によって引用元が異なっていた。国内や身近な関係者の間で共有されている自社への理解が、海外でも成立しているとは限らない。

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そのため、企業はAIを新たな情報の受け手として位置づけ、複数のAIと言語で自社に関する回答と引用元の定点観測を続ける必要がある。同じ質問を継続して用い、事実の誤りや古い情報、説明や根拠の不足を確認する。引用数や好意的な表現の増減ではなく、相手の判断に必要な事実が正確に示されているかを軸にする。

対応は広報だけで完結させず、IR、人事、事業部門、海外拠点などが観測結果を共有し、部門横断で進める。 情報が十分に伝わっていないのであれば、出所や対象時点を明確にして説明や根拠を補い、事業や制度の実態に課題があるのであれば、担当部門が改善に取り組む。自社の説明と異なる回答をすべて誤りと捉えるのではなく、原因を見極め、対応後も確かめ直すことが重要である。

この定点観測と部門横断の改善を企業活動に組み込むことが、Algorithmic Relations(アルゴリズミック・リレーションズ)の実務である。AIは今後情報の仲介者という意味で重要なステークホルダーとなるが、AIとの対話の目的はあくまで、その先にいる人との対話が、確かな事実に基づいて始まる状態を整えることにある。そこから、AI時代のレピュテーション・マネジメントは始まる。

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調査方法と留意点

調査は2026年8月にブランズウィックのAlgorithmic Relationsを用いて実施した。対象は2026年7月末時点の国内市場における時価総額上位の日本企業10社。ChatGPT、Gemini、Claude、Perplexityに対し、企業概要、CEOとその実績、財務パフォーマンス、働きやすさ、ESG、過去2年間のリスクと機会の変化、成長・イノベーション・長期的価値を裏付ける根拠、規制・法務・政治的圧力、事業運営上のリスク、主要な批判とその反証に必要な根拠という10種類の質問を、各社について英語と日本語で設定した。

本稿で掲載した数値はAlgorithmic Relationsツールから求めた英語・日本語の引用明細の「URL Occurrence Count」を合計したもの。英語は27,060件、日本語は24,630件であり、ユニークな記事数やURL数ではない。カテゴリー分類には曖昧さが残り、本稿は分類精度を検証していない。また、引用ログからAIが内部で利用した情報や学習データの全体は分からない。引用回数は、内容の正確性、信頼性、読者への到達度、投資判断への影響を示す指標でもない。各AIの恒常的な性質や因果関係ではなく、調査時点の観測。

文=唐木明子

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