初期サインを見逃す理由
こうした初期シグナルを見逃す人は、それを無視しているわけではない。別のものとして捉え直しているのだ。眠れなかった夜は「いろいろ抱えていただけ」になり、怒りっぽさは「あの会議は本当に腹立たしかった」になり、続く気分の落ち込みは「そのうち過ぎ去る一時的な落ち込み」にされる。こうした生理的な負荷を一貫して状況的なものとして捉え直すことが、燃え尽き症候群を数カ月にわたって気づかれないまま進行させる。
しかし、数カ月分のデータを振り返ると、それが睡眠記録であれ、ウェアラブル端末のトレンドデータであれ、あるいは単なる日記であれ、日々の中では見えなかったものがはっきり見えてくる。
サインが現れたときにすべきこと
燃え尽き症候群のサインが現れたときに必要なのは、休暇(休息は重要だが)や新しい趣味ではない。より有効なのは、ストレス反応を生み出す引き金を意図的に減らすことだ。
1. 守れないとわかっている過密なスケジュールを避ける
2. 夜遅くまでメッセージを確認する習慣を断つ
3. キャパシティを超えて肥大化した、日々のタスクや意思決定の量を思い切って減らす
燃え尽き症候群の3つのサインを早期に捉え、それを引き起こす要因に小さな調整を加えれば、数週間で回復できる可能性がある。だが、心理的症状が否定できない状態、つまり疲弊、冷笑的な態度、追いつけないという感覚が現れるまで待つと、燃え尽き症候群からの回復には数カ月を要する。
体のサインは、燃え尽き症候群と診断されるより前に届く。だからこそ、それを真剣に受け止めることは、燃え尽き症候群がまだ初期段階にあるうちに気づくための、比較的信頼できる方法の1つである。


