この会合は、AIの開発を減速させなければ間もなく危険な状態となり、人類の文明にとって致命的になりかねないという警告や、AIエージェントの暴走事例が複数報告されるなかで開かれる。それでもなお、トランプは業界への規制強化を求める声に反発している。「我々はこれまで、国民が非常にちっぽけに感じてしまうほど巨大な政府に慣れきっていた。しかしAmerica.govを使えば、米国政府のすべてが手のひらに収まる。もはや国民は、何万ものひどい政府のウェブサイトや規則、1万以上の書類という終わりのない迷路をさまよう必要はない」
AIをめぐる最近の議論は、9月上旬、AI安全性の問題を告発して辞任した元アンソロピック研究者のジェイコブ・コクソンは「開発を減速させなければ、2030年までにAIが人類を滅ぼす可能性がある」と警告したことが発端となった。業界の他の関係者もコクソンの懸念に同調している。その後、アンソロピックのアモデイは新たな安全策を求める書簡を正式に公開した。この書簡には、OpenAIのアルトマン、イーロン・マスク、グーグル・ディープマインドのデミス・ハサビスCEOも共同署名している。
しかしトランプは、米国が中国に遅れをとる恐れがあるとしてこうした懸念を軽視し、新たな規制を求める声に反発してきた。先週の国連総会での演説では、「超知能を制する者が勝利する」と述べ、「我々は現在、中国やその他の国を大きくリードしており、今後もその状態を維持する」と語っている。
トランプは先週、中国の習近平国家主席との会談後、両者がAI開発について「現状のままにしておく」ことで合意したと主張した。しかし習主席はより慎重な姿勢を見せており、「我々にはAIを善のために開発・管理し、AIの開発が常に人間の制御下にあり、人々の幸福に貢献することを確実にする能力と責任がある」と述べている。
ジョンソン下院議長もトランプの姿勢に同調しており、議会による規制は考えにくいとの見方を示している。ジョンソンは28日、FOXニュースの取材に対し、「モラトリアムは必要ない」「慌てて過剰な規制に乗り出すべきではない。中国との競争に負けてしまうからだ」と語った。「イノベーションを継続することは重要だが、適切なバランスを取らなければならない。今後の協議はその点に焦点が当てられるだろう」と付け加えている。
なお、共和党のジョン・スーン上院院内総務は29日の昼食会を欠席するものの、28日にはアモデイと面会している。また、トランプ自身も27日にアモデイと非公開の会談を行っていた。


